学校付き添いの実態
2025-02-19 13:24:17

東京都内の障害児・医療的ケア児家庭の学校付き添い実態調査から見える課題

「東京都内の障害児・医療的ケア児家庭の学校付き添い実態調査から見える課題」



この度、認定NPO法人フローレンスが実施した調査により、東京都内に在住する障害児・医療的ケア児の保護者が感じている学校での付き添いに関する実態が明らかになりました。調査対象は、6〜18歳の子どもを持つ保護者63名であり、その結果が示す課題について詳しく解説します。

調査の背景と目的


障害児や医療的ケア児を持つ家庭では、学校での医療的ケアのために保護者の付き添いが必要とされる場面が多くあります。しかし、その付き添いが保護者にどのような影響を与えているのか、また子どもの学校生活にはどのような影響があるのかについては、これまであまり具体的に把握されていませんでした。これらの課題を解決し、保護者の負担を軽減するため、フローレンスは今回の調査を行いました。

調査結果の要点


首都圏の調査結果において、約90%の保護者が学校付き添いを経験し、その中でも89.5%が日中に学校周辺で付き添っているという結果が出ました。この付き添いを行う理由として、88.2%が学校からの要請であると答えています。また、付き添いによって心身の負担を感じているという保護者は約60%に達し、約40%が仕事に影響が出ており、退職や休職などを余儀なくされている現状が浮き彫りとなっています。

医療的ケアの代替希望


興味深い点は、付き添い時の医療的ケアの約90%が第三者によって代替可能とされ、97.5%の保護者が代替を希望しているという結果です。しかし、現状では自宅利用が主流であり、学校での利用には限界があります。保護者が自費で訪問看護サービスを利用することは高額な経済的負担を強いるため、制度の見直しが急務とされています。

生活への影響


調査によると、多くの保護者が校内に拘束されることで、日常生活や仕事との両立が難しくなっていると報告しています。特別支援学校への通学には距離があるため、家庭の状況や心身の健康に影響を与える要因となっているのです。さらに、保護者の負担が家庭に偏っているため、こどもが学校に行くことができない場合があることも懸念されています。

今後の提言


フローレンスは、障害児・医療的ケア児の家庭に対する支援を強化するため、訪問看護の制度を見直し、在宅レスパイト事業を学校でも利用できるようにすることを提案しています。この制度は、保護者が必要に応じて医療的ケアを行える場所を自宅から学校へと拡大することで、保護者の負担を軽減し、こどもが安定して学校生活を送れるようにすることを目指します。

結論


この調査結果から得られる教訓は、障害児・医療的ケア児とその保護者がより良い生活を送るためには、制度の見直しと地域社会での支え合いが不可欠であるということです。フローレンスの取り組みは、今後さらに多くの家庭が抱える課題を解決するための第一歩となります。


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会社情報

会社名
認定NPO法人フローレンス
住所
東京都千代田区神田神保町1-14-1KDX神保町ビル3F
電話番号
03-6811-0903

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