STマイクロエレクトロニクスの新しいフルブリッジDCモータドライバ
STマイクロエレクトロニクスは、機能安全性が重要な車載用途に向けて高集積フルブリッジDCモータドライバ「VNH9030AQ」を発表しました。この製品は複雑なモータ駆動のコストと効率を改善すると同時に、リアルタイム診断機能を搭載しており、特に車両の性能と安全性を向上させるものです。
機能と利点
VNH9030AQの特長は、モータ駆動中のオン抵抗がわずか30mΩであるため、ドア制御モジュールやシート調整などの中・低電力DCモータ駆動アプリケーションでの高効率な動作を可能とします。このドライバは外部回路部品を減少させるため、診断専用の出力ステータスモニタ用のピンを提供しており、部材コストの削減にも寄与します。
さらに、内蔵の電流検出回路は損失ゼロで電流を監視し、モータの状態を適切に把握します。モータのスタンバイ消費電力は非常に低く抑えられ、ゾーンコントローラプラットフォームなどへの導入が容易です。
安全性と柔軟性
VNH9030AQは、過電圧、低電圧、短絡状態およびクロスコンダクションからモータを保護する機能も備えています。また、ハイサイド及びローサイドのMOSFETを柔軟に制御できるため、複数のモータを含むシステムに対応することが可能で、多様な業務要件に応じた使い方ができます。
スマートなデザイン
新しいモータドライバは、STの最新VIPower M09テクノロジーを活用しています。パワー回路とロジック回路がモノリシックに集積されており、熱効率の高いトリプルパッドQFNパッケージを採用しているため、優れた底面冷却性能を実現します。これにより、レイアウトやソフトウェアの再利用が容易になり、設計の効率性が向上します。
今後の展開
VNH9030AQは現在量産体制にあり、1000個の購入時には約2.48ドルという価格で提供されています。今後、異なる車両用アプリケーションでのさらなる需要が予測され、業界全体でのコスト削減と効率化に貢献することが期待されます。
STマイクロエレクトロニクスについて
STマイクロエレクトロニクスは、世界的な半導体メーカーであり、50,000名以上の従業員を擁し、最先端の製造設備を有しています。同社は、スマートモビリティや電力エネルギー管理、クラウド接続型デバイスの普及に向けた半導体ソリューションを提供し、持続可能な社会の実現を目指しています。カーボンニュートラル目標を2027年に設定し、その達成に向けた活動も行っています。詳しい情報は、
STの公式ウェブサイトをご確認ください。
お問い合わせ
STマイクロエレクトロニクス株式会社
オートモーティブ製品グループ
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