アニメーション作家として知られる矢野ほなみさんが手がけた絵本『タイ長とプチ吉と雲の上の村上海賊』の英語版が、2025年3月25日に発売されることが発表され、全世界の読者の注目を集めています。この作品は、戦国時代の日本に実在した「村上海賊」を題材にしています。村上海賊は、単なる海賊ではなく、瀬戸内海で船舶の通行料を取ることで航海を守り通した重要な存在だったのです。
この絵本の物語では、妖精のタイ長やプチ吉、そしてたろちゃんが不思議な雲の上の村で村上海賊と出会う冒険が描かれています。英語版では、海外の読者にも理解しやすく、魅力的に表現される工夫が施されています。これは、単なる物語の紹介にとどまらず、日本の豊かな文化や歴史への扉を開く試みでもあります。
絵本のサイズはW220×H257cmで、価格は日本国内で1,500円(税込)。発行元は株式会社エースクリエイティブで、愛媛県今治市が監修を手掛けています。販売場所はオンラインストアを始め、愛媛県内のさまざまな店舗にも展開されます。
矢野ほなみさんは、東京藝術大学大学院を修了後、アニメーション作家としてのキャリアを積み重ねてきました。彼女の作品は、独自の視点から描かれた美しいアートで、斬新なストーリーテリングが魅力です。特に彼女の短編アニメーション「骨嚙み」は、オタワ国際アニメーション映画祭でグランプリを受賞するなど、その実力が広く認識されています。
矢野さんは、英語版出版に際して、「村上海賊のユニークな存在を知ってもらい、日本の歴史や文化への興味を深めてもらえたら嬉しい」とコメントしています。この絵本を通じて、多くの海外の方々が海賊の真の役割や、村海賊の物語に魅了されることを期待しています。
翻訳者である江口麻子さんは、作品が持つ魅力を損なわないよう配慮しつつ、子供たちが楽しく親しむことができる内容に仕上げています。江口さんもまた、日本の歴史に秘められたロマンを感じながら、このプロジェクトに携わることができた喜びを表しています。
編集者の三須百合子さんは、矢野さんの世界観が見事に詰まったこの絵本が、子供たちにとって新しい冒険のきっかけとなることを願っています。
このように、絵本『タイ長とプチ吉と雲の上の村上海賊』の英語版は、単なる物語を超え、日本の歴史や文化を世界に広めるための重要な作品となることでしょう。日本の美しい文化を海外に伝えるこの絵本にぜひご注目ください。