ナースコールシステムの新基準改定
一般社団法人インターホン工業会(JIIA)は、9月1日にナースコールシステムに関する自主基準を改定しました。この改定は、医用電気機器と連動するナースコールシステムの要求事項を新たに追加するもので、医療施設における生体情報モニタからのアラームの聞き逃しを防ぐための重要な一歩です。
改定の背景
医療現場では、生体情報モニタなどの医療機器から発せられるアラームが非常に重要です。しかし、医療従事者がこれらのアラーム音を,聞き逃すことが依然として大きな課題となっています。特に多忙な環境では、メインの業務に集中するあまり、連動するナースコールシステムの呼び出し音も見過ごされがちです。こうした現状を受けて、各医療機関がナースコールシステムを医療機器のアラームと連動させる使い方が増えています。ただし、従来の国内基準ではこうした新しいニーズに応えきれていなかったため、JIIAは自らの基準であるGRSNを改定する運びとなりました。
主な改定点
今回の改定では、医療機器アラームとの連動に関連する以下の新たな要求事項が追加されました。
- - 医療機器との接続方法: どのようにナースコールと医療機器を接続するかの明確なガイドラインを示します。
- - 医療機器の機能/動作に与える影響: ナースコールシステムが医療機器の動作にどのように影響するかを考慮しなければなりません。
- - 設定変更が可能な職員の限定: システムの設定変更を行うことができる職員を制限することで、セキュリティと信頼性を向上させます。
適合製品について
JIIAでは、自主基準GRSNに適合したナースコールシステム製品に特別なマークを表示する制度を導入しています。この「GRSNマーク」は、医療施設が製品選定を行う際の重要な指標となります。製品の一覧は、インターホン工業会の公式ウェブサイトで公開されているため、医療機関はこれを参考にしながら安全性の高い製品を選ぶことができます。
GRSNマークの意味
GRSNマークは、自主基準に適合したナースコールシステム製品に付与され、医療機関に対して安心して使用できる事を示します。
このような基準改定は、医療現場での安全性向上だけでなく、医療従事者の業務効率の改善にも寄与します。今後も関連の基準が進化することで、より安全で信頼性の高い医療環境が整っていくと期待されています。
参考情報
さらに詳しい情報はJIIAの公式サイトをご覧ください。