DataRobotの新たなAIアプリケーションスイート
2023年3月20日、DataRobotはSAPとの協力により、財務およびサプライチェーン業務向けの新たなAIアプリケーションスイートの発表を行いました。この取り組みは、AIをビジネスの力に変えることを目指し、既存の顧客環境にAIをシームレスに統合することを目的としています。
AIをビジネスの力に変える
DataRobotは、自社が提供するソリューションを利用して、AIを迅速に導入し、安全なビジネスデータの取り扱いを可能にします。この新しいアプリケーションスイートにより、ビジネスユーザーはAIソリューションを必要とする場所や方法で簡単に提供されるようになります。具体的には、このAIアプリケーションスイートは、SAPの財務データを最大限に活用するよう設計されており、SAP S/4HANA、SAP Datasphere、SAP Integrated Business Planning (SAP IBP)、SAP Aribaなど、さまざまなSAPソリューションに対応しています。
迅速かつ効率的な導入
さらに、このアプリケーションスイートは導入前の設定が完了しており、各ビジネス部門に合わせたAIソリューションをすぐに利用できる状態です。DataRobotは、インフラストラクチャや手動のCI/CDパイプラインを省くことで、AIチームのリソースを最適化し、ビジネスニーズに応じた解決策に集中できる環境を整えています。
DataRobotの役割
DataRobotのChief Product OfficerであるVenky Veeraraghavan氏は、「AIパートナーとして、SAPとのパートナーシップを拡大できるのを嬉しく思っています。この新しいAIアプリケーションスイートは、ビジネスロジックからガバナンスまで、AIチームがニーズに合わせて調整できる設計図が組み込まれています」と述べています。これにより、ビジネスプロセスにAIをスムーズに統合する新たな道が開かれます。
SAP Business Data Cloudとの連携
DataRobotは、SAP Business Data Cloudとの連携でも注目されています。このフルマネージドSaaSソリューションでは、DataRobotがインサイトアプリを提供する主要パートナーの一つとなり、AI主導のインサイトやリアルタイム分析を通じてSAPユーザーの意思決定を強化します。AIアプリケーションは、データ統合とビジネスロジックを支える重要な基盤となっています。
財務向けのAIアプリケーション
DataRobotの財務向けAIアプリケーションスイートは、SAP S/4HANAのデータを活用してリアルタイムの財務インサイトを提供します。このスイートには、キャッシュフロー管理や収益予測、不正検知など、企業が直面するリスクに対処するためのさまざまなアプリケーションが含まれています。
例えば、King’s Hawaiian社は、このAIアプリケーションを活用してキャッシュフロー予測の精度を96%に高め、生産計画や財務チームに反映させる成功を収めています。
サプライチェーン向けAIアプリケーション
また、DataRobotのサプライチェーンおよびオペレーション向けAIアプリケーションスイートは、需要計画や人員計画を最適化するために設計されています。これにより、企業はコスト削減と業務効率の向上を実現し、市場のニーズに応じた生産を行えるようになります。このスイートも無駄を減らすための合理的な選択肢を提供しています。
まとめ
DataRobotとSAPによるこのAIアプリケーションスイートは、ビジネスの現場におけるAI導入の迅速化、意思決定の強化、業務の最適化をもたらし、企業に革新的な変革をもたらすことでしょう。今後のビジネスモデルにおいて、このような技術の進化は欠かせない存在になっていくと考えられます。