アップサイクルで生まれた新しい提案
近年、環境意識の高まりと共に、様々なリサイクルやアップサイクルの試みが行われています。その流れの中で注目されているのが、山陽製紙株式会社と株式会社バリューブックスの共同プロジェクトです。このプロジェクトから生まれたのが、「本だったピクニックラグ」です。これは、捨てられるはずだった古本を素材に再生されたピクニックラグで、環境への配慮と美しいデザインが融合した商品です。
背景にあるプロジェクト
この商品の誕生には、バリューブックスが抱える「捨てたくない本プロジェクト」が深く関わっています。バリューブックスは、全国から集まる古本の買取・販売を手掛けており、日々3万冊以上の本が並びます。しかし、流通や状態によっては約半分が買取対象にならず、古紙回収に回される運命にありました。そんな中、「本としての価値を素材として活かしたい」という想いから、このプロジェクトがスタートしました。
アップサイクルの技術
山陽製紙は古本を再生したオーダーメイド再生紙を使って、これまでに「本だったノート」「漫画だったノート」などを手掛けてきました。しかし、今回のピクニックラグはその一歩先を行く製品です。開発のきっかけとなったのは、バリューブックスの担当者が山陽製紙の再生紙レジャーシートを使用した際の着想でした。「本だった紙でも作れるのでは?」そのアイデアが、実現に向けた第一歩となりました。
商品の特徴
「本だったピクニックラグ」は、裏面にラミネート加工を施しているため、強度や耐水性を備えています。サイズは90×135㎝で、海や公園でのピクニックの際にも便利なサイズ感です。紙素材の約70%には、かつて本だった紙が使用されており、無漂白の再生紙を採用しています。これにより、偶然に生じるインク飛びや文字残りが、まるで本の記憶を宿したラグとして楽しむことができます。価格は2,750円(税込)で、バリューブックスのサイトから購入可能です。
環境への配慮と未来
今回の取り組みは、単なる商品開発にとどまるものではありません。「本だったピクニックラグ」を通じて、循環型社会の実現を目指しています。山陽製紙は「再生可能エネルギーの利用」や「活性炭ろ過方式排水処理」を取り入れ、自らの製造工程でも環境への配慮を行っています。また、2019年には「再エネ100宣言RE Action」に加盟し、2022年にはSBT認定を受けるなど、持続可能な未来に向けた努力を続けています。
おわりに
「本だったピクニックラグ」の登場は、古本に新しい命を与えるだけでなく、皆さんに「本と過ごす時間」を提供してくれるアイテムです。ぜひこの機会に、環境に優しいピクニックを楽しんでみてはいかがでしょうか。心地よいアウトドア体験を、素敵な本の思い出と共に味わってみることをおすすめします。