サトーが小松製作所向けに開発した新管理ラベルの全貌
株式会社サトー(以下「当社」)は、株式会社小松製作所(以下、「コマツ」)の小山工場向けに、小径Oリングやガスケットの個別管理ラベルを新たに開発し、運用が開始されました。この取り組みは、特に輸出や修理用セット品における個別管理が求められる中で実現されたものです。
コマツの製造現場と個別管理の必要性
コマツは、建設機械や鉱山機械において世界的なシェアを誇る企業で、その重要な生産拠点の一つが小山工場です。この工場ではエンジンや油圧機器などの部品が生産されており、特に製品のトレーサビリティや輸出時の管理が近年重視されています。
これまで、修理用セット品は複数の部品を一つのパッケージにまとめて出荷していましたが、輸出時に税関で部品の確認が求められることが多く、各部品に個別の明細ラベルを貼付する必要性が高まっていました。このことが、サトーの新しいラベル開発につながったのです。
小径リング部品専用ラベルの開発
当社が開発した新しいラベルは、小径リング部品やガスケットに特化したもので、従来のラベルを改良したものです。現場での使用目的を考慮し、ユーザーの声をもとに試作品を何度も提案しました。その結果、ミシン目の追加やディタック加工の微調整を行い、封入や貼付作業の効率を大幅に向上させることに成功しました。
この新しいラベルにより、部品明細の個別管理が可能になり、輸出時の税関手続きも円滑化されました。また、工場内の他部門でも利用できるような仕様に改良され、部品管理の効率性が一層高まりました。
ユーザーの声
コマツの部品推進部外川様は、「輸出時に税関調査が入った場合、修理用セット品については構成部品ごとの明細と現品の照合が必要です。以前は小径製品には直接ラベルを貼付することが難しかったため、ビニール袋に個装してラベルを貼付していましたが、ゴミ処理や手間が増えるという問題がありました。しかし、サトーが提案した新しいラベルによって、事前のビニール個装が不要になり、コスト削減や環境負荷の低減にもつながっています。」と語っています。
製造現場のトレーサビリティ向上に向けて
この取り組みは、製造現場が抱える多様な課題にラベルを通じて解決策を見出す良いモデルケースとなりました。今後も当社は、製造や物流、保守などの現場で発生する小さな問題に目を向け、最適なソリューションを提供していく所存です。ラベル開発にとどまらず、自動認識技術を活用した管理の高度化を進め、製造業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進していきます。
企業概要
株式会社小松製作所
- - 所在地:東京都港区海岸一丁目2-20
- - 代表者:今吉 琢也
- - 企業HP:komatsu.jp
- - 事業内容:建設・鉱山機械の製造など
株式会社サトー
- - 所在地:東京都港区芝浦3 丁目1 番1 号
- - 代表者:小沼 宏行
- - 企業HP:sato.co.jp
- - 事業内容:自動認識ソリューションの提供など