序章
2025年9月4日から5日、西日本最大規模の産業展示会「国際フロンティア産業メッセ2025」が神戸国際展示場で開催されました。この展示会は、企業、大学、研究機関が先端技術と新事業創出をコンセプトにさまざまな製品を披露し、基調講演やセミナーを通じて産学官の連携を強化することを目的としています。古野電気株式会社もこの重要な場に初出展し、自社の技術革新をアピールしました。
古野電気の出展内容
古野電気は「安全安心・快適、人と環境に優しい物流の実現」をテーマに、深浅測量向けの水上ドローン「Furuno Bathymetric Solution」をはじめ、気象観測機器や監視カメラなど、先進的な製品を紹介しました。
1. 深浅測量向け水上ドローン「Furuno Bathymetric Solution」
この水上ドローンは約25kgの軽量設計で、導入しやすさと現場での扱いやすさを兼ね備えています。特に、厳しい環境での利用を考慮した設計がなされており、ダムや河川の測量業務において災害対策等での利用が見込まれています。従来の測量技術に代わる新たな手法として、国土交通省の新技術情報提供システム「NETIS」への登録申請も進行中です。
2. 気象観測機器「KASMI」
「KASMI」は、水蒸気量を高精度で観測することができる小型マイクロ波放射計であり、ドローンの航行安全性向上にも寄与します。機械学習モデルを採用した観測アルゴリズムにより、設置場所の気象条件に応じた柔軟なデータ収集が可能です。これにより、局地的な豪雨の兆候を早期に把握し、ドローンの運用リスクを軽減します。
3. 雲カメラ「CMOMIL」
「CMOMIL」は、雲の位置や移動方向を特定する気象観測装置で、光学カメラで得たデータを解析します。通信配線が不要なため設置も手間いらずです。これにより、気象情報をよりリアルタイムに取得することが可能になり、ドローンの運行においても重要な役割を果たします。
4. 簡易型クラウド遠隔監視カメラ「FWC」
防水性と夜間撮影機能を備えたこの監視カメラは、ソーラー電源を利用した設計が特徴です。配線が不要なため、短期間で設置でき、遠隔からの監視が可能です。LTEとWi-Fiの両方に対応しており、連続稼働時間も長いため、さまざまなシーンで使われます。
5. ミリ波レーダー
古野電気は、長年の船舶用技術を活かして、近距離監視向けのミリ波レーダーを開発しました。このレーダーは、悪天候や暗い状況下でも対象物を正確に検知できるため、ドローンの運用にも大きな信頼性を提供します。
結論
今回の「国際フロンティア産業メッセ2025」は、古野電気が技術の発展に寄与するための新たな一歩を示す重要な機会となりました。艱難する現代社会において、同社の展開する技術が社会インフラの高度化や持続可能性に貢献することが期待されています。古野電気は、今後も「安全安心・快適」な社会の実現に向けた技術革新に邁進していく所存です。