日常生活と災害対策の新たな視点
東京ガス都市生活研究所は、都市生活における防災行動に関する重要なレポートを発行しました。その名も「在宅避難を“自分ごと”に~エネルギーも『自分で備える』防災行動のヒント~」。このレポートは、都市部での在宅避難とその際に必要となるエネルギーの確保について焦点を当てています。
調査の背景と目的
新たな災害への備えが喫緊の課題とされている中、首都圏の住民1600名に対して実施された調査では、在宅避難の際にどのようなンサポートが必要かという点が明らかにされました。東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県の住民が対象で、災害発生に伴う避難所の混雑や収容限界に対する意識が高まっていることが分かりました。このレポートでは、具体的にどのように防災意識を高め、行動に移すことができるのかを提案しています。
備えの意識は高まっているが
最近の災害体験や報道の影響が大きいことがわかりました。特に、2024年8月の南海トラフ地震に関する臨時情報の発表が多くの人々に災害意識を促しました。しかし、自己評価によれば、「十分な備えができている」と感じている人は約20%に留まります。特に女性や若年層は、具体的な備えができていないと感じている割合が高いことも確認されました。
エネルギー備蓄への課題
多数の調査結果によると、水や食料に比べてエネルギー、すなわち電気やガスの備えに対する意識が低いことが指摘されています。エネルギーの備えを重視している人は約20%に過ぎず、実際の備えができている人はさらに少ないとのこと。その理由として、いざという時の生活をイメージできない人が多かったことが示唆されています。興味深いのは、4割以上の人が「電気の自給が必要」と考えているが、それを実現することは難しいと感じている点です。
若い世代の動向と関心
一方で、特に30代の若い世代の中で、家庭用発電機や蓄電システムに対する関心が高まっていることが新たなトレンドです。これにより、災害対策の意識が浸透していることを示しています。
このレポートではさらに、住まい選びに対するニーズや実際の備蓄状況、そして防災意識が高い人々がどのように備えているかを具体的な事例を通じて詳しく紹介しています。
おわりに
東京ガス都市生活研究所は、1986年に設立以来、都市に暮らす人々の生活の質を向上させるために多角的な調査を続けており、未来のライフスタイルやニーズを予測しています。これからも、地域の安全と安心を実現するための具体的な提言を展開していくことでしょう。