パナソニック ホールディングス株式会社(以下、パナソニックHD)は、2024年11月26日より合同会社シーベジタブル(以下、シーベジタブル)が提供する養殖海藻を社員食堂で定期的に取り入れる新たな取り組みを始めます。
この取り組みでは、若ひじきやすじ青のりを使用した多彩なメニューが提供される予定です。具体的には、若ひじきとすじ青のりの稲荷寿司、若ひじきのキンパ、天婦羅盛り合わせ、若ひじき入り白菜の浅漬け、若ひじきミニうどんなどがメニューに並ぶことになります。これにより、社員は美味しく海藻を楽しむだけでなく、自然環境に関する理解を深める機会が得られます。
シーベジタブルは、磯焼けなどの影響で減少している海藻を、環境負荷の少ない陸上や海面で栽培する技術を持つ企業です。パナソニックHDは、この養殖海藻を食堂に導入することで、従業員に日本の海域での生物多様性の危機や水産業の現在の問題を啓蒙し、ネイチャーポジティブへの意識を促進しようとしています。
また、2024年11月15日には、海藻養殖における社会課題解決の可能性を探るための共同実証契約がシーベジタブルと交わされ、両社の知見が融合します。この契約により、パナソニックHDの優れたロボット技術やIoT技術の知識が、シーベジタブルの養殖技術と組み合わさり、持続可能な食料供給と環境保全を目指します。
パナソニックHDはこれまでも、社員食堂を通じた社会課題への取り組みを積極的に行ってきました。2009年の「Table for Two」活動では、途上国の子どもたちに食事を届ける取り組みや、2018年からは「サステナブル・シーフード」の提供を開始し、福島県の食の安全を応援する活動も実施しています。
今回の共同実証実験は、給食業者であるエームサービス株式会社の協力のもと、大阪府門真市のパナソニックHD本社食堂で進められます。この取り組みでは、従業員の食に対する受容性や行動変容を調査し、結果を広く社会に発信することが期待されています。
今後、賛同する給食事業者との協力を広げていくことで、全国の他の社員食堂へもこの活動を拡充し、地域経済や日本の水産業の支援を目指します。海藻養殖を通じて、より多くの人々が環境問題に関心を持ち、行動を変えることが期待されるでしょう。
このように、パナソニックHDの新しい取り組みは、ただ食事を提供するだけでなく、環境問題への意識を高め、持続可能な社会を作り出す重要なステップになるといえます。