第18回平塚らいてう賞 贈賞式が目白キャンパスで開催
2023年12月21日、日本女子大学(東京都文京区、理事長:今市涼子)にて、毎年恒例の「平塚らいてう賞」の贈賞式が行われました。これは平塚らいてう氏の功績を讃え、女性解放や世界平和に貢献する研究や活動を称えるもので、今回で18回目を迎えました。
贈賞式は目白キャンパス内の新泉山館大会議室で開催され、顕彰を受賞した国連NGO国内女性委員会、奨励を受賞した久保田茉莉氏、聶逸君氏、さらには特別賞を受賞した消化器外科女性医師の活躍を応援する会(AEGIS-Women)に対して、永井暁子選考委員長から賞状と副賞としての賞金が手渡されました。
今回の贈賞式では、応募数が顕彰部門で4件、奨励部門で4件という厳しい選考の結果、顕彰受賞者は1名、奨励受賞者は2名に決まりました。本年は特に消化器外科分野で女性医師の活躍を支援する「AEGIS-Women」に対して特別賞が設けられたことが特徴です。
平塚らいてう賞は、平塚氏の遺志を受け継ぎ、男女共同参画社会の実現や女性解放を目指す活動に焦点を当てています。受賞者たちは、その研究や活動を通じて、女性が社会で平等に活躍するための基盤を築くことに貢献しています。特に永井委員長は、今後もこの賞が次世代の研究家や活動家の新たな挑戦に繋がることを期待しています。
受賞者のコメント
顕彰受賞者 鷲見八重子氏
国連NGO国内女性委員会の委員長である鷲見氏は、受賞理由について自身の活動が女性の権利や人権、平和の促進に繋がっていると語り、これからも国連における女性の役割を広げることに尽力する意向を示しました。
奨励受賞者 久保田茉莉氏
日本体育大学の助教である久保田氏は、憲法学の観点からジェンダー平等に基づく新しい性売買規制について研究していることを紹介し、平塚らいてう賞を受け取ることができたことに感謝の意を表しました。特に、性売買という課題を解決するためには新しい制度設計が必要であると指摘しました。
奨励受賞者 聶逸君氏
聶氏は女性の就業行動の研究を進めており、特に出産や育児をきっかけに職を失う現状について問題意識を持って活動しています。彼女は、平塚らいてう氏の理念が現代においても重要であると述べ、女性と子供が安定した生活を送る社会の実現を目指す考えを強調しました。
特別賞受賞者 河野恵美子氏
消化器外科女性医師の活躍を応援する会の会長である河野氏は、女性医師が多くの困難に直面している現状を説明し、受賞を通じて女性医師の活躍を更に支援していく必要があると訴えました。また、彼女は「函館宣言」に言及し、女性医師の地位向上に向けた取り組みの重要性を強調しました。
本賞の意義と今後の展望
平塚らいてう賞は、単なる顕彰に留まらず、受賞者の活動が社会にどのように広がり、影響を与えるのかを見守り、期待することが重要です。今回の受賞者たちは、平和で平等な社会を目指して様々な分野で取り組んでおり、その意義はますます高まっています。今後も日本女子大学は、このような活動を支援し、次代を担う女性研究者や活動家の育成を続けていくことでしょう。