未来の食を創る
2018-05-25 13:00:30
細胞培養技術で未来の食を創るインテグリカルチャーの挑戦
インテグリカルチャーが推進する未来の「食」の在り方
インテグリカルチャー株式会社は、細胞培養技術を利用して新たな食料生産の形を模索しています。この企業は、持続可能なタンパク源を提供することを目的としており、従来の高コストな細胞培養方法を革新することで、より安価に食品を生産する試みを行っています。
独自の「Culnet System」
同社が開発した「Culnet System」は、外部からの成長因子を必要とせず、様々な細胞を大規模に培養できる汎用システムです。この技術により、鶏肝臓細胞の大規模培養が実現され、鶏フォアグラの試作にも成功しました。従来の方法では100gあたり数百万円のコストがかかっていたものが、1万円以下まで原価を下げることができ、他の企業からも引き合いが来ているとのことです。
今後の事業展開
インテグリカルチャーは、さらにスケールアップした生産システムを構築する計画を立てています。今回の資金調達で得た3億円は、さらなる価格低減と規模の拡大に充てられる予定です。2018年にはパイロットプラントを稼働させ、2019年末から2020年初頭には商業プラントを建設する見込みです。このプラントを通じて、化粧品や健康食品向けの原材料を皮切りに、2020年代中に様々な細胞農業製品の販売を開始する計画です。
環境に優しい培養液の開発
また、同社は培養液のコスト削減にも取り組んでおり、従来の牛胎児血清を一般食品由来の「FBS代替」に置き換えることで、動物由来成分を使用しない製品を実現しました。この新しい培養液は、1リットルあたり10円以下という驚異的な価格を実現しており、従来品の約1万分の1のコストで提供されることになります。
「細胞農業」の未来
細胞農業(Cellular agriculture)は、動物や植物から収穫される産物を特定の細胞を培養して生産する新しい方法です。中でも細胞培養で生産される「クリーンミート」は、持続可能なタンパク源としての期待が寄せられています。
インテグリカルチャーの取り組みは、ただの食品生産を超え、環境に配慮した持続可能な未来を形作るものです。今後の展開に目が離せません。私たちの食の常識を変える可能性を持つこの技術が、どのように生活に浸透していくのか、引き続き注目していきたいと思います。
会社情報
- 会社名
-
インテグリカルチャー株式会社
- 住所
- 東京都文京区本郷4-1-3明和本郷ビル 7F
- 電話番号
-