浅草発、世界を魅了するレザー産業へ
東京都台東区に聳える天野宝国株式会社は、明治42年に創業した歴史ある皮革卸問屋です。代表取締役社長の天野宏子が率いるこの企業は、革製品を通じて地場産業の発展を目指し、多様なものづくりとOEM(相手先ブランドによる生産)に取り組んでいます。2024年9月4日から6日に東京ビッグサイトで開催される「第98回東京インターナショナル・ギフト・ショー秋2024」に出展し、様々なレザー素材を披露する予定です。
独自に仕入れた希少素材を展開
「ASAKUSA革百貨店」という皮革レーベルを持つこの企業では、一般的な牛革に加え、国内外から独自のルートで仕入れた希少なカーフ、ペッカリー、コードバンなどの高品質な素材を取り扱っています。これにより、顧客には厳選された革素材を提案し、優れた製品づくりを支援。さらなるブランド形成を目指し、顧客のニーズに沿った革製品の製造を手がけています。
時代のニーズに応えた革新
天野宝国は、時代の潮流に敏感に反応し、革の特性を最大限に引き出すための加工技術を磨いてきました。藍染や柿渋染め、草木染めなど、多種多様な技術を駆使して独自性のある製品を展開。さらに、レザーを用いた製品が求める品質を確保しつつ、OEMによるブランドづくりを顧客に提案しています。これにより、製品の品質とオリジナリティを兼ね備えた革製品を生み出すことに成功しています。
台東エリアの歴史と未来
浅草や上野を中心とした台東エリアは、製造業や卸売業が集積した古き良き地域です。そこには、長い歴史を持つ職人たちによる技術が受け継がれ、現代でも確かな品質を保ってます。最近では新たなクリエイターが台東エリアに集まり、「モノマチ」として新たな創造力を発揮しています。これは古い伝統と新しい感覚が共存するエリアならではの魅力です。
海外展開への挑戦
天野宝国は国内市場だけでなく、海外市場でも取引を拡大しています。特に海外の富裕層からの評価が高く、特定の職人にオーダーメイドを依頼することも多くなっています。しかし、通常の革製品は一点物やオーダーメイドが中心で、大量生産には向かず、ブランド展開には課題が残ります。
今後の展望
創業からの長い歴史を持つ天野宝国ですが、現代の企業経営には独自性が求められる時代です。自社の強みである希少な革素材を生かしながら、ECサイトやInstagramを通じたネットでの情報発信も強化。これにより、お客様からの問い合わせや新規顧客の増加を実現しました。今後も台東区に根付いたものづくりの精神を発展させ、本当に良いものを国内外に広めていく意気込みを持っています。
展示会の詳細
出展先として、「第98回東京インターナショナル・ギフト・ショー秋2024」に参加します。このイベントは、国内外から2042社が出展し、革製品に興味がある方には必見の機会です。入場は無料で、事前登録が必要です。
詳細な情報はこちらにて:
公式情報のリンク
天野宝国の取り組みは、伝統と革新が共存したものづくりのモデルケースとして、今後のレザー産業の可能性を広げています。