高殿円『忘らるる物語』が受賞
2024-07-09 14:52:14

高殿円『忘らるる物語』が第23回Sense of Gender賞大賞を受賞!辺境の王族が運命に立ち向かう壮絶な物語

高殿円『忘らるる物語』が第23回Sense of Gender賞大賞を受賞!



2024年7月7日、ジェンダーSF研究会主催の「2023年度 第23回Sense of Gender賞」の選考結果が発表され、高殿円さんの『忘らるる物語』(KADOKAWA)が大賞を受賞しました。

『忘らるる物語』は、辺境の王族として生まれた18歳の環璃(ワリ)が、次期皇帝の子を産む「皇太后」に選ばれ、候補の藩王たちと寝るためだけに国々を巡る運命に立ち向かう物語です。環璃は、一族を皆殺しにされ、生まれたばかりの息子を人質に取られます。絶望の淵に突き落とされた彼女が出会ったのは、触れた男を塵にする力を持つチユギという名の戦士でした。

高殿円さんは、受賞の喜びとともに「土の上に国が興り、また滅びては興り、なぜか人は死に絶えずまた生まれることの不思議さを、布を織りながら歌うように紡いでいった物語でした。本の向こうでよい旅をどうぞ。ありがとうございました。」とコメントしています。

Sense of Gender 賞は、性的役割というテーマを探求し深めたSF&ファンタジー関連作品に贈られます。近年の受賞作には、白川紺子『後宮の烏』(集英社オレンジ文庫)、暴力とも子『VRおじさんの初恋』(一迅社)、白井カイウ/出水ぽすか『約束のネバーランド』(集英社)などがあります。KADOKAWA刊行作品では、須賀しのぶ「芙蓉千里」シリーズも大賞を受賞しています。

『忘らるる物語』は、高殿さんが20年前に着想を得て、満を持して刊行したファンタジー小説です。触れただけで男を殺せる民族のチユギと主人公の友情も熱い作品で、ぜひ手に取ってみてください。

『忘らるる物語』あらすじ



辺境の王族として生まれ、幸福な結婚をしたばかりの環璃(ワリ)は、突如たったひとりになった。広大な大陸を統べる燦帝国(さんていこく)の次期皇帝を選ぶための籤(くじ)、”皇后星”に選ばれたからだ。一族はすべて皆殺し、産んだばかりの息子を人質に取られ、環璃は候補の王たちと寝るためだけに国々を巡る。絶望の淵に突き落とされた彼女が出会ったのは、触れた男を塵にする力をもつチユギという名の戦士だった……。

女が産み、男が支配する世界を変える「忘れられた物語」とは? 破格のエンタテインメント巨編!

『忘らるる物語』書誌情報



作品名:忘らるる物語
著者名:高殿 円
発売日:2023年3月10日(金)★電子書籍同日配信
定価:2,090円(本体1,900円+税)
頁数:424頁
体裁:四六判並製 単行本
装丁:大久保伸子
ISBN:9784041113929
発行:株式会社KADOKAWA
初出:
「カドブンノベル」2020 年1月号
「BOOK ☆ WALKER」2021年12月配信号~ 2022年10月配信号
* 試し読み(電子書籍ストアBOOK☆WALKER):https://bookwalker.jp/de9b47d4ed-95f0-4ff7-b68a-05c685464526/

著者紹介 高殿 円(たかどの まどか)



兵庫県生まれ。2000年『マグダミリア三つの星』で第4回角川学園小説大賞奨励賞を受賞しデビュー。13年『カミングアウト』で第1回エキナカ書店大賞を受賞。主な著作に「トッカン」シリーズ、「上流階級 富久丸百貨店外商部」シリーズ、「カーリー」シリーズ、「シャーリー・ホームズ」シリーズ、『メサイア 警備局特別公安五係』『剣と紅 戦国の女領主・井伊直虎』『主君 井伊の赤鬼・直政伝』『政略結婚』『コスメの王様』『戒名探偵 卒塔婆くん』など。漫画原作も多数手がけている。


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