物流業界の再編に寄与するイトーキの新自動仕分けシステム

イトーキ、最新の自動仕分けシステム「X-NR」を発表

株式会社イトーキが開発した在庫特化型自動仕分けシステム「X-NR（プロジェクトコード）」は、2026年の市場投入を予定しています。この新システムは、現代の物流業界が直面している労働力や効率性の課題に応えるための新たなソリューションを提供します。

物流業界の現状と背景

現在、物流業界ではドライバーの労働時間規制が厳格化され、労働力不足の問題が深刻化しています。この影響により、政府の試算では2030年度までに輸送力が最大34％不足することが予想されています。これを受けて、今後は輸送に依存しない、拠点内機能の強化や在庫分散が求められています。

加えて、EC市場の拡大と頻繁な小口配送の需要増加により、物流拠点においては柔軟な入出庫と高効率な保管がますます重要視されています。そんな中で登場するのが、イトーキの自動仕分けシステム「X-NR」です。

新製品「X-NR」の特長

1. 高速入出庫処理と収納効率

「X-NR」は、既存の「SAS-R」シリーズが持つ順立て、荷合わせ、ピッキングの高速処理機能を引き継ぎつつ、収納効率を向上させるための機能も充実しています。具体的には、シャトル台車に上下昇降機構を搭載し、「三次元的なピッキング」を実現しました。これにより、高速な入出庫処理と効率的な保管が一つのシステムで可能となります。

2. バリエーション豊富な荷姿対応

新しい「X-NR」は、ピッキング機構を薄型化することで、多様な荷姿に対する適応力を更に向上させています。コンテナ、段ボール箱、折りたたみコンテナなど、様々なサイズや形状の荷物に対応可能です。これにより、従来以上の収納効率が実現可能となりました。

3. 安全性と整備性の向上

「X-NR」は約2メートルごとにメンテナンスデッキを標準装備しており、各層に独立した作業空間を提供します。これにより、緊急時の対応や定期的な保守作業を高い安全性で行うことができます。また、作業エリアを分離することができ、運用中にシステムを停止させるリスクを最小限に抑えつつ、スムーズなメンテナンスが可能です。

今後の展開

イトーキは、この新しい自動仕分けシステムを2026年から市場に投入する予定であり、製造業の一次保管庫やEC物流センター、さらには多品種小ロットの荷物を扱う医薬品・化粧品の物流現場での活用が期待されています。また、この技術は物流業界の構造転換にも寄与し、今後の業界の発展に大きな影響を与えるでしょう。

まとめ

イトーキの「X-NR」は、現代の物流課題に対処すべく開発された画期的なソリューションです。高速な入出庫処理と高い収納効率はもちろん、安全性とメンテナンスの容易さも兼ね備えており、今後の物流業界に革新をもたらすことが期待されています。

最新の物流テクノロジーの進化を体感できる「X-NR」に、ぜひご注目ください。