風車ブレードの特許
2024-09-18 15:08:15

株式会社落雷抑制システムズ、風車ブレード用装置で欧州特許を取得

欧州特許取得の意義



最近、株式会社落雷抑制システムズが風車ブレード用の落雷抑制装置に関する欧州特許を取得しました。この特許は、風力発電所における風車が直面する落雷リスクを軽減するための重要な一歩です。特に日本海沿岸のような落雷頻発区域では、風力発電設備の安全性を確保することが不可欠です。

背景と課題



近年、風力発電の普及が著しく、大型風車の設置が進んでいます。しかし、周囲に高い構造物がない場合、風車のブレード部分が落雷を受けやすいという問題があります。このリスクは、設置後の修理費用が高額なだけでなく、稼働停止による収益損失も引き起こすため、深刻な影響を及ぼします。特に冬季の日本海沿岸では、落雷エネルギーが非常に強く、効果的な対策が求められています。

今回の特許は、風車ブレードの先端に取り付ける形で設計された落雷抑制装置で、落雷の発生を抑えることを目的としています。これにより、風車からの落雷による脱離を防ぎ、風力発電の安定稼働を支援します。

特許取得の経緯



この特許は2022年12月2日に出願されたもので、先月にはスペインでの有効化手続きが完了し、さらに多くの欧州諸国での特許取得も実現しました。これにより、ドイツ、フランス、オランダなどの18カ国でこの技術が保護され、グローバルな展開が期待されます。

具体的な技術



落雷抑制装置の中心となるのは、風車ブレードの先端に設置される二重構造のキャパシタです。この装置は、風車ブレードに降りかかる落雷を軽減するために、非導電性の素材を用いて設計されています。内外の電極を配置することで、落雷がブレードに到達するのを抑える仕組みになっています。

これにより、風車のブレードの先端から放電が上昇することを防ぎ、落雷の影響を受けない安全な運用が可能となります。特に、風力発電所においては、各風車ごとにカスタマイズされたこれらの装置が効果的に機能する期待があります。

株式会社落雷抑制システムズについて



落雷抑制システムズは、2009年に設立された企業で、落雷被害を減少させるための独自技術を追求しています。避雷球(PDCE)を使用し、さまざまな産業において落雷対策を行っています。自衛隊や鉄道、高速道路など、広範囲にわたる導入実績があり、公共の安全を支える重要な役割を果たしています。

本社は神奈川県横浜市に位置し、同社は設立以来、120件以上の知的財産を保有するなど、国内外の特許を駆使して発展を遂げてきました。将来的にも、落雷防止技術の進化と製品の多様化が期待されます。

この特許の取得は、風力発電業界における落雷対策の新たなスタンダードを確立する可能性を秘めています。今後も、事故を未然に防ぐための技術革新に期待が寄せられています。


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会社情報

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落雷抑制システムズ
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