発災15年目の東日本大震災伝承活動の現状
2025年は、東日本大震災から15年が経過します。公益社団法人3.11メモリアルネットワークは、毎年この震災を伝承する活動を調査しており、その最新の結果が発表されました。この調査によると、震災伝承団体や施設が抱える先行きの不安は、ますます強まっていることが明らかになりました。
調査結果の概要
調査によると、伝承団体の約96%が「継続性に不安がある」と回答しており、これは前回調査の92%からの増加です。また、伝承施設においても、この不安は69%にのぼっており、依然として高い水準を保っています。このような状況が続く中、特に気になるのは、資金に関する見通しの変化です。前回の調査で「資金見通しがある」とした伝承施設は71%でしたが、今回の調査では51%にまで減少しています。
人材確保と公的支援の状況
【30年後の人材確保に関する見通し】の調査結果では、驚くことに伝承団体は誰一人としてプランを持っていないと回答しました。また、公的な支援が「十分である」と感じている団体はわずか4%でした。これらの結果は、震災伝承活動に対する無理解を示しているのかもしれません。
震災伝承活動への期待
今回の調査で「復興庁への期待」として最も多かった回答は、被災自治体への「伝承・防災施策の財政支援」でした。一方で、防災庁への期待では「防災行動変容を促す施策・法制度の整備」が上位を占めています。このことから、伝承活動を持続させるためには、より強力な支援と伴に多様な施策の構築が求められていることがわかります。
語り部の重要性
調査の中で「後世への伝承活動にとって特に重要な人材」としてもっとも多く挙げられたのは「語り部」でした。利用者や来訪者の意識を変えるために、語り部が果たす役割は非常に大きいと評価されています。また、全ての団体・施設が、東日本大震災の語り部が来訪者に寄与していると認識していることも注目すべき点です。
次のステップ
他の震災伝承団体との連携が強化されることで、活動の質の向上が期待されています。しかし、「国が関わる復興祈念公園と自組織との連携・協働」に対する肯定的な回答は32%に留まっているため、実現にはさらなる取り組みが必要です。3.11メモリアルネットワークへの期待としては、「震災の伝承の価値発信」が最上位に挙げられており、引き続きこれを広めていく必要があるでしょう。
まとめ
発災15年を迎え、いまだに不安を抱える震災伝承の現状は、決して楽観視できる状況ではありません。しかし、これを乗り越えるための連携と支援の重要性を再確認し、未来に向けた行動を起こすことが不可欠です。今後の発表会では、震災伝承活動の継続や防災行動喚起のための具体的な情報が提供される予定ですので、ぜひ取材を通じてこれらの活動に関心を寄せていただければと思います。
発表会の詳細
記者発表会は、2025年10月22日の13:30から、石巻市のMEET門脇で開催される予定です。現地での震災学習体験や調査結果の報告に関心のある方は、参加をぜひご検討ください。