絶滅種再発見の意義
2025-06-24 14:23:42

北海道有珠山で再発見された絶滅種タカネハナワラビと希少種ミヤマハナワラビの意義

北海道有珠山での植物研究がもたらした新発見



最近、北海道の有珠山で、絶滅したとされていたタカネハナワラビが約半世紀ぶりに再発見され、同時に絶滅危惧種であるミヤマハナワラビの新たな生育地も見つかりました。 これらの発見は、国内の維管束植物に関する知見を大きく深めるものとなり、今後の保全活動の重要性を強調します。

タカネハナワラビの再発見



タカネハナワラビ(Botrychium boreale)は、日本国内では1976年に有珠山で1度だけ確認された後、1977年の噴火で生育地が壊滅。そのため、環境省のレッドリストでは絶滅(EX)に分類されていました。そのタカネハナワラビが、2023年に平野遥人氏率いる研究グループにより再発見されたのです。この再発見は、植物学的に見ても非常に珍しい事例であり、多くの研究者の注目を集めています。

発見の経過と意義



調査は2022年に始まり、現地調査を通じてタカネハナワラビとミヤマハナワラビの2つのシダが隣接して生育していることが確認されました。ミヤマハナワラビは、国内では非常に希少で、環境省のレッドリストで最も絶滅リスクが高い(CR)位置付けにされています。このような植物の発見は、日本の生物多様性の保全においても重要な意味を持ちます。

研究手法と結果



研究チームは、採集許可を得て現地調査を実施しました。タカネハナワラビとミヤマハナワラビの形態を確認し、それぞれの株を識別しました。結果として、タカネハナワラビは17株、ミヤマハナワラビは約40株を確認し、その生育環境も異なっていることが判明しました。特に、タカネハナワラビは低木の藪の下に生息し、ミヤマハナワラビは藪の縁や草地に見つかりました。

今後の保全活動と展望



今回の再発見は、タカネハナワラビを長期的に保全するための新たな機会を提供します。両種の生育数は少ないため、今後のモニタリングや保全措置が必要不可欠です。特に、外来種の影響や踏圧のリスクにさらされているため、専門家と連携し、適切な保全策を講じていくことが求められます。

まとめ



これらの発見は、日本の生物多様性を守る上で、非常に重要な意味を持ちます。また、環境省や火山専門家と連携し、未来に向けた持続可能な保全策を検討していくことが重要です。タカネハナワラビとミヤマハナワラビの存在は、北海道の環境保護に貢献し、さらなる研究の基盤ともなることでしょう。

この研究成果は、2025年の植物研究雑誌に掲載予定です。研究者たちの取り組みは、単なる学術的な意義を超え、広く社会に貢献するものと期待されます。


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