インドネシアでの技能実習生による建築研修がスタート
日本の建築業界を支える人材不足が深刻化する中、ROY株式会社はインドネシアにおける技能実習生向けの建築研修を開始しました。この研修は、2025年に日本での実務を予定している第3期生と第4期生を対象にしており、約2か月間にわたり屋根と足場作業について実践的なスキルを学ぶ内容となっています。
研修の概要
研修は2025年4月11日に開始され、5月末まで行われます。日本の職人2名に加え、初の現地出身指導員としてダルト氏が参加し、自身の経験を元に生徒たちを指導します。ダルト氏は、インドネシアでの大工経験を生かしながら、日本での1年半の実務を通じて培った安全管理の知識も共有します。
実践的な環境での学び
研修は、ROY株式会社が運営する建築研修センターで行われます。センターの設計は、日本の現場を模した高所作業を体験できるように作られており、研修生は足場の組立や解体、屋根の修理など、現地の資材を使った実践的な作業に取り組むことができます。
また、ダルト氏は日本語能力を活かし、英語とインドネシア語の間で翻訳を行いながら、研修生の理解を助けています。彼の的確な指導により、研修生たちは安全対策や作業の効率化について確実に学んでいます。
日本特有の施工文化を体験
研修では、日本の屋根施工に欠かせない「唐草」部材を現地で作る工程も含まれています。これは、日本の施工文化を実際の作業の中で体感する重要な部分です。研修生たちは、資材を加工し、必要な部材を自ら生み出すことで、技術力と共に創造力も高めています。
安全と効率の両立
気象条件が異なるインドネシアにおいては、スコールが多いため、作業工程の調整能力も求められます。ダルト氏は、1年半の日本での経験を基に、研修生たちに柔軟な対応力を教えています。
日本人職人の浦川氏も、足場作りを中心に、安全管理への知識が研修生に浸透するよう努めており、質問にはすぐに応えられる体制を整えています。流暢な日本語を話す研修生たちは、現場で即戦力として活躍できる素養を身につけています。
ダルト氏の意気込み
ダルト氏は、初めての指導員としての経験に多少の緊張をみせつつも、研修生たちが将来日本で働く際の基礎をしっかり教えたいと語っています。教材には印象に残る工夫を凝らし、日本の礼儀や文化についても詳しく伝えています。
ROY株式会社の使命
ROY株式会社は、技能実習生を通じて、インドネシアと日本を結ぶ架け橋となることを目指しています。建築研修センターは、今後ジャカルタやバリ島での開校も予定しており、幅広い分野における人材育成に注力していきます。将来的には年間3,000名の卒業生を目指し、さらなるスキルを身に付けた技術者が誕生することでしょう。
このように、ROY株式会社の取り組みは、日本とインドネシアの架け橋となり、両国の建設業界を支える人材を育成しています。