農業従事者90人が語る熱中症と農作業の実態
近年の厳しい夏の気候が農作業に与える影響は計り知れません。一般財団法人 日本気象協会が「熱中症ゼロへ」プロジェクトを進める中で、全国農協青年組織協議会(JA全青協)の協力のもと、約90人の若手農業従事者に対する「農作業と熱中症に関する実態調査」が実施され、その結果が公表されました。この調査は、農業に従事する人々のリアルな声を反映しており、農作業の環境や健康問題についての貴重なデータを提供しています。
実態調査の概要
調査は2025年の3月から4月にかけて行われ、対象は20代から50代までの農業従事者90人です。調査の目的は、農作業における熱中症の実態を把握し、これに対する対策を講じるための情報を収集することでした。
夏の暑さによる影響
結果として、実に90%以上の農業従事者が、暑さの影響が作業環境や働き方に及んでいると感じていることが明らかになりました。中でも、72%の人が「1日の休憩頻度が増えた」と回答しており、また58.5%が「作業時間を調整した」ことを挙げています。これらのデータは、農業従事者が自らの健康を守るためにどれほど工夫をしているかを示しています。
熱中症リスクが高いシーン
熱中症のリスクが特に高いと感じるのは、「草刈り作業」や「薬剤散布」などの一人作業時。実際、農作業の中でエアコンが効かないトラクターやハウス内で水やりをする際には、特に注意が必要とされています。これらの作業環境では、周囲のサポートが不足し、自己管理が難しくなるため、熱中症のリスクが高まります。このことから、安全のためにも仲間との連携が重要であるといえます。
農畜産物への影響
また、農畜産物についても影響が顕著です。約95%の農業従事者が、暑さによる生育や収穫量への影響を感じています。具体的には、76.5%の人が「収穫量が減少した」と感じており、64.7%は「生育が不十分だった」と回答しています。これらの結果は、農業の持続可能性に対する懸念を呼び起こします。
熱中症予防の重要性
気象庁からのデータによると、日本の平均気温は上昇傾向にあり、特に夏場は過酷な環境となります。熱中症を防ぐためには、こまめな水分補給や適切な休息が不可欠です。また、作業環境の見直しや作業者同士のコミュニケーションも重要です。農業従事者は、互いに健康チェックを行い合うことが理想的です。
「熱中症ゼロへ」プロジェクトの取り組み
「熱中症ゼロへ」プロジェクトでは『熱中症は未然に防げる気象災害』というテーマのもと、引き続き早めの熱中症対策を呼びかけています。農作業に携わる全ての人々が安心して働ける環境を整えるためには、啓発活動や情報提供が必要です。今後も、日本気象協会は農業守るための施策に取り組んでいく所存です。
まとめ
今回の調査結果は、農業に従事する方々にとって非常に重要な情報をもたらしています。農作業の現場で直面する厳しい環境を乗り越え、熱中症の危険を回避するためには、個々の努力が必要です。今後も「熱中症ゼロへ」プロジェクトが進展し、より安全な農業環境が実現されることを願っています。