津南醸造の日本酒「つなん」が金賞を受賞した理由とは

日本酒の魅力が再評価された瞬間

新潟県中魚沼郡津南町を拠点とする津南醸造株式会社が、令和6酒造年度全国新酒鑑評会で金賞に輝いたことが話題になっています。この受賞は、日本酒界における大きな出来事であり、特に「つなん」と名付けられた代表銘柄が選ばれたことは、地域の自信にもつながるものです。

全国新酒鑑評会は、1911年に始まり、今年でその歴史は110年を超えます。この鑑評会では、日本全国から選ばれた酒蔵の作品が集まり、厳正な審査が行われます。受賞したのは809点の中で金賞に与えられる202点であり、その中に「つなん」が名を連ねたのです。

地元の豊かさを活かした酒造り

「つなん」は、地元の自然環境に根差したテロワール日本酒として知られています。使用されるのは、津南町で育まれた米と、この地特有の清冽な水です。特に、仕込み水は標高2000メートルの山々から湧き出る天然水を用いており、これが酒の味わいに深い影響を与えています。

杜氏の滝沢昌哉氏が主導する製造工程は、ただ伝統を重んじるだけでなく、酵母や麹の選定、発酵条件の理解を基にした科学的アプローチも取り入れられています。このような再現性の高い技術が、金賞受賞に繋がった大きな要因であると考えられます。

品質向上に向けた努力

津南醸造は「Brew for Future〜共生する未来を醸造する〜」というブランドコンセプトを掲げ、自然との共生を大切にした酒造りを推進しています。現在、新潟県の豪雪地帯に位置するこの酒蔵は、自然の豊かさを最大限に活かし、革新的な技術を融合させることで、地域の特性を反映した酒を作り続けています。

近年、2025年には「越後流酒造技術選手権大会」において新潟県知事賞を受賞するなど、津南醸造の技術と品質は確実に評価されています。今後も地域の風土を生かしながら、愛される日本酒の提供に情熱を注いでいきます。