EggAIとさいたま産業創造財団、AIによる経営相談支援システムをつくる
株式会社EggAIとさいたま産業創造財団は、企業の経営相談を効率化するための新たなナレッジマネジメントシステムの共同研究をスタートしました。今回はその研究内容と期待される効果について詳しく解説します。
研究の背景
さいたま産業創造財団では、企業からの経営相談に対し、専門的なアドバイスを提供しています。しかし、その際に直面する課題として、過去の相談記録をもとにした情報整理が挙げられます。膨大な記録の中から必要な情報を一つずつ探し出す作業は、時間と労力を要し、回答の質にもばらつきが見られました。特に、新人職員にとっては、経験や専門分野によって対応の正確さが左右されるため、組織全体での効率化が求められていました。
研究の概要
新たに開発するシステムは、AIを利用して過去の相談事例から必要な情報を自動的に検索・整理することを目指しています。具体的には、企業からの経営相談を財団職員が入力すると、AIが約3000件に及ぶ過去の相談事例を瞬時に参照し、適切な回答を提示します。これにより、従来の回答速度は平均で10分かかっていたものが、1分に大幅に短縮される見込みです。
期待される効果
このシステムが導入されることで、経営相談に関わる業務の効率性が向上し、誰でも高品質な回答が提供できるようになります。ベテランと新人の差を埋め、質の高い相談対応が実現します。また、実際に市内企業向けのサービスを開始するのは2025年度を予定しており、その事業展開にも大いに期待が寄せられています。
今後の展望
2024年の9月末までに、このナレッジマネジメントシステムを完成させ、財団内での活用及び更なるブラッシュアップを行います。その後、2025年度からはさいたま市内の企業にもこのシステムの導入を提案していく予定です。
代表取締役のプロフィール
本プロジェクトを牽引するのは、中島柚斗氏(Yuto Nakashima)です。2000年生まれの彼は、東京大学在学中に株式会社EggAIを設立し、画像生成AIの研究に取り組んできました。彼の業績は、人工知能学会全国大会での優秀賞受賞をはじめ、国際的なHCI系カンファレンスでも評価されており、注目を集めています。
EggAIについて
株式会社EggAIは、東京大学の研究を基にしてスタートしたAIソリューションを提供するスタートアップです。私たちの使命は、先進的な技術を駆使して顧客企業や社会全般の課題を解決することです。
この新しい研究プロジェクトが経営相談分野に革新をもたらすことを期待しています。