2025年7月為替相場の動向
2025年7月、株式会社外為どっとコム総合研究所はFX投資家に関する調査を実施しました。この調査では、個人投資家がどのような取引を行い、どれだけの利益を得ているのかを探ります。
1. FX取引の全体動向
この月の一般社団法人金融先物取引業協会の報告によると、店頭FXの取引金額は1166兆円に達し、前月より約8.2%の増加を見せました。この増加は、主に主要通貨ペアでの取引増加が影響しており、特に米ドル対円(USD/JPY)やユーロ対円(EUR/JPY)の取引が活発でした。一方でユーロ対米ドル(EUR/USD)は少し減少しています。
月末時点での未決済ポジションは8.8兆円と前月比で増加しており、円が1年1カ月ぶりに買い越しになりました。これは、投資家のリスクオフの動きと円安の進行が相まって、円売りのポジションが優勢になっていることを示しています。
2. 個人投資家の実態
株式会社外為どっとコムの調査によると、FX口座数は87万件を突破し、投資家の利益確定の動きが顕著に見られました。具体的には、61.1%の投資家が利益を上げ、41.8%が損失を出しているという結果でした。ただし、これは前月の調査結果から比較すると小幅な変化に留まっています。
2-1. 通貨ペア別取引状況
最も取引数が多かった通貨ペアは引き続きUSD/JPYで、その他にはTRY/JPYやAUD/JPYが続きました。特にトルコリラやメキシコペソといった通貨は、買いポジションが増加しており、投資家がスワップポイントを狙った取引を行っていることが伺えます。
2-2. 平均取引数量
個人投資家の平均取引数量は4.2万通貨(42 lots)であり、前月よりも微減しました。これは、依然として不確実な相場環境が影響していることを示しています。
また、取引の中で必要保証金がどのように影響しているのかも考慮する必要があります。例えば、USD/JPYでは1注文あたり約25万6,200円の必要保障金が必要です。
2-3. 年齢層の傾向
調査によると、FX投資家の年齢層は50代が最も多く、次いで40代が続きました。60代や30代も一定の割合で存在していますが、全体的にミドルシニア層が多く参加していることが特徴です。
2-4. 新規口座開設者の年齢
FX口座を新規に開設した層については、30代が最も多く26.1%を占めています。若い世代の参加が増える一方で、成熟した世代も引き続き活躍していることが分かります。
3. まとめ
7月の為替市場は、米国の関税策やFRBの利下げ見通し、本邦の政局などが複雑に影響し合う中で、投資家は利益を得る機会を捉えました。確かに不確実性は残るものの、株価の安定が見られたことでリスクを取る動きが強化され、個人投資家は円売りのポジションの利益確定を進めています。このように、個人投資家の取引スタンスは現状の市場に適しているようです。
また、今後のために多様な情報提供を行い、個人投資家が安心して取引を行えるような環境づくりを目指す必要があります。
過去の調査電話記録や最新情報は、外為どっとコムの公式サイトやオウンドメディアで確認できます。