三菱重工、ドバイ向けに大型ターボ冷凍機を受注
三菱重工グループの三菱重工サーマルシステムズが、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイにある地域冷房プラント向けに、大型ターボ冷凍機を受注しました。この受注は、同国のエミレーツセントラルクーリングシステムズコーポレーション(EMPOWER)との契約に基づき行われ、三菱重工サーマルシステムズは2025年の初めから18台の冷凍機を順次納入する予定です。これらのターボ冷凍機は合計で56,250冷凍トンの冷房能力を持ち、ドバイの住居や商業施設、医療機関及び教育機関に冷水を供給します。
この大規模な契約により、EMPOWER社の運営する3つの地冷プラントにサービスが提供されます。さらに、契約内容には追加購入オプションも含まれており、これが実現すれば供給される総冷房能力は最大で100,000冷凍トンに達する見込です。
三菱重工サーマルシステムズは、2021年にもEMPOWER社から大型ターボ冷凍機を受注しており、今回の契約はその際の好評が引き続き評価された結果と言えます。特に、冷凍機の冷凍効率と環境性能、及び過去のアフターサービスの実績がポイントとなっています。これまでに納入されたターボ冷凍機と合わせると、EMPOWER社向けには46台が供給されることになります。
ドバイ市は、環境保護を意識した長期戦略として、地域冷房の効率的な活用を掲げています。2030年までに電力、水、交通燃料の消費を少なくとも30%削減し、2050年には50%削減することを目標にしています。こうした背景が、三菱重工とEMPOWER社のパートナーシップにおいて、重要な要素となっています。
10月8日にはドバイで契約調印式が行われ、EMPOWER社のCEOであるH.E. アフマド・ビン・シャファル氏と、三菱重工サーマルシステムズの伊藤喜啓社長が出席しました。伊藤社長はこの契約を通じて、地冷プラントの運用効率向上に貢献できることを願い、さらに脱炭素化に向けた取り組みを強化していく考えを表明しました。
一方、シャファル氏も「この契約がエネルギー効率の高い解決策を通じ、持続可能な未来の推進に寄与する重要な機会である」と強調しました。エンパワー社は、環境・社会的目標を持ち、次世代のために資源を守ることにコミットしており、今回の契約はそれを実現するための一環と位置付けています。
エンパワー社は、ドバイにおいて地冷容量の80%以上を供給し、87か所のプラントから冷房用の冷水を提供しています。三菱重工サーマルシステムズは、今後もエネルギー効率の向上に努め、顧客のニーズに応えつつ、カーボンニュートラル社会の実現へ貢献していく方針です。
参考リンク
このプロジェクトを通じて、持続可能な冷房技術の普及が進むことを期待しています。