アッヴィ合同会社は、進行期パーキンソン病治療薬として「デュオドーパ®配合経腸用液」の製造販売承認を日本で取得しました。この治療薬は、従来の内服薬では十分な効果が得られない患者に対して、エビデンスに基づいた新たな治療法を提案するものです。
デュオドーパの効果と使用方法
パーキンソン病の進行に伴い、患者は「オン」状態と「オフ」状態を繰り返すことがあります。「オフ」状態では、動きが著しく鈍くなり、筋肉のこわばりが強まることがあります。デュオドーパはこの「オフ」時間を短縮することが期待されます。
デュオドーパは、専用の小型携帯型注入ポンプ「CADD - Legacy® 1400ポンプ」を使用し、専用のチューブを通じて空腸に直接投与されます。これにより、レボドパとカルビドパを16時間にわたり持続的に供給します。投与は2つの段階に分けられ、初期には経口レボドパ量に基づいて適切な初回投与量を決定し、その後の持続投与は患者の症状に応じて調整されます。
この薬剤は、すでに米国をはじめとする50か国以上で承認を受けており、日本での最新の承認は、パーキンソン病患者のニーズに対応する重要なステップです。
製品の構成と背景
デュオドーパは、レボドパとカルビドパの経腸用溶液であり、パーキンソン病に伴う運動合併症の症状を緩和します。臨床試験では、デュオドーパを12週間投与した結果、既存の治療薬に比べて「オフ」時間が平均4時間以上減少したことが示されています。特に進行した症状を持つ患者において、その効果は明確に現れています。
さらに、デュオドーパの臨床試験では、高頻度でみられた副作用には過剰肉芽組織や下痢、便秘、悪心などがありますが、重篤な問題は比較的少ないとされています。
アッヴィ社の役割
アッヴィは、グローバルなバイオ医薬品企業として、多様な疾患に対する先進的な治療薬の開発に取り組んでいます。研究開発を進めながら、パーキンソン病分野においても新たな治療法を提供することを目指しています。日本国内には約1000名の社員がいて、患者さんのQOLの向上に貢献する活動を行っています。詳細な情報は公式サイトで確認できます。
まとめ
デュオドーパの製造販売承認は、特に重度の運動障害を訴える進行期パーキンソン病患者にとっての希望の光となります。今後、より多くの患者にこの治療法が広まり、生活の質が向上することが期待されます。