2025年4月12日から5月18日まで、北斎館にて展覧会「略画 ―はずむ筆、おどる線―」が開催されます。この企画展では、葛飾北斎が描いた魅力的な略画の数々が紹介されることになっています。北斎の画業は70年以上にも及び、その中でも特に50歳代以降に力を入れたのが「絵手本」です。彼の制作した多くの絵手本の中でも特に人気があるのが『北斎漫画』です。この作品は、絵を学ぶ人々にとっての貴重な手本となり、時代を超えて親しまれています。
「略画」というスタイルは、対象の形を省略して表現することから、独特の美しさが生まれます。北斎は同時代の絵師鍬形蕙斎の略画スタイルからの影響を受け、このスタイルを多くの作品に取り入れていきました。例えば、『今様櫛きん雛形』の中にも、魅力的な略画デザインが収録されており、これが当時の人々にどのように受け入れられたのかが伺えます。このように、略画は単なる「簡略な絵」ではなく、その形状そのものが意匠としての魅力を持っていることがわかります。
本展では、北斎が描いた人物や動物、草花の略画を中心に展示し、その独特の表現世界を味わえるチャンスです。北斎の略画は、細部が省略されていても、対象の特徴を的確に捉え、生き生きと動き出すような印象を与えます。一つ一つの形は小さくとも、そのモチーフが集まることで、一枚のページが賑やかに構成される様子は、見る人にとって新たな発見をもたらすでしょう。
北斎館は、2026年に開館50周年を迎える記念すべき年を前に、この特別展を開催しています。次回は、5月24日から特別展「知られざる秀逸コレクション東京・足立区立郷土博物館所蔵浮世絵名品展」が4期にわたり開催され、各期約60点が展示されます。これにより、足立区立郷土博物館が誇る浮世絵コレクションを存分に楽しむことができます。詳しい情報は北斎館の公式サイトを訪れてご確認ください。
また、北斎館は常に新しい企画を提供しようと努めており、訪れるたびに新たな感動を与えてくれます。南信州の自然と相まって、北斎の作品を存分に楽しめる絶好の機会をお見逃しなく。次回の訪問を楽しみに、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか?
【会場情報】
北斎館
所在地:長野県上高井郡小布施町大字小布施485
開館時間:午前9時から午後5時(入館は閉館30分前まで)
入館料:大人1,200円、大学生・高校生500円、小中学生300円
休館日:会期中無休
詳細は公式サイト(https://hokusai-kan.com/)もご覧ください。