児童労働の実態
2025-06-11 20:51:22

児童労働の現状と未来への課題—ユニセフ報告から見る実態

児童労働の現状と未来への課題



2024年の予測に関する報告書が、ユニセフと国際労働機関(ILO)によって発表されました。この報告書は、全世界で約1億3,800万人の子どもたちが児童労働に従事しており、その中の約5,400万人が危険な環境に置かれているという深刻な実態を浮き彫りにしています。特に、今回の報告は「児童労働反対世界デー」の前日かつ「国際遊びの日」とされる日付に発表されたことが特筆されます。これにより、子どもたちが本来持つべき学ぶ権利や遊ぶ権利が奪われている現状が強調されています。

児童労働の規模と減少傾向



最新のデータによると、児童労働は2016年から2020年にかけて急増しましたが、その後2020年以降の5年間で2,000万人以上減少しました。これは、現状の改善が見られる一方で、依然として2025年までには全ての形態の児童労働を撲滅するというSDGsの目標には達しない見込みだということを示しています。

どの産業に多いのか



報告書によると、児童労働が最も多く見られるのは農業部門で、全体の61%を占めています。次にサービス部門が27%、工業部門が13%となっています。特にアジア太平洋地域では、児童労働の割合が約6%から約3%に減少しており、この地域では4,900万人から2,800万人に減少する成果が見られましたが、ラテンアメリカやカリブ海ではほとんど変化がなかったとのことです。

サハラ以南のアフリカの現状



サハラ以南のアフリカ地域は依然として児童労働の最も多い場所であり、世界の児童労働者の約3分の2に当たる8,700万人がここに集中しています。ただし、この地域ではその割合が約24%から約22%に低下しており、少しずつ改善が見られます。しかし、人口増加や紛争、極度の貧困といった要因により、全体の数は横ばいの状態が続いています。

ユニセフとILOの見解



ユニセフのキャサリン・ラッセル事務局長は、世界は児童労働を減少させるための重要な進展を遂げてきたが、依然として多くの子どもたちが危険な環境で働いていると述べています。さらに、法的保護策の強化や無償教育の充実を通じて、児童労働の撲滅は可能であると強調しながらも、資金削減によって進展が後退するリスクを警告しています。

児童労働と教育



児童労働は教育の機会を奪い、子どもの権利や将来の選択肢を制限します。また、教育を受けられないことで貧困が連鎖し、親が子どもを働かせるケースが増加するという悪循環を生むのです。報告書は、女の子が無報酬の家事労働を週21時間以上行う場合、その割合が男の子を上回ることも指摘しています。

今後の取り組み



ユニセフとILOは、各国政府に対して、社会的セーフティネットの強化や、危険にさらされている子どもたちの保護、質の高い教育の普及、若者や大人の「働きがいのある仕事」の実現を呼びかけています。また、企業の説明責任を強化することで、子どもの搾取を防ぐことも重要な課題として掲げています。

結論



2000年以降、児童労働に従事する子どもの数は約2億4,600万人から1億3,800万人へと減少しましたが、現在のペースでは2025年までに児童労働を撲滅する目標達成は難しい状況です。さらなる努力と具体的な行動が求められています。


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会社情報

会社名
公益財団法人日本ユニセフ協会
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東京都港区高輪4-6-12ユニセフハウス
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03-5789-2016

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