新たなインフラ補強工法「APLASシート」の開発
石川県金沢市を拠点とする三谷産業株式会社のグループ会社、アウロステクノロジーズ合同会社が、2025年6月18日に新たな工法「APLASシート工法」を発表しました。この新技術は、老朽化したインフラの補強に特化したもので、特に床板や橋脚、柱、梁などの構造物に対応しています。
APLASシートの特長
APLASシートは、炭素繊維強化熱可塑性樹脂(CFRTP)を基にしたシートで、厚さは約0.25mm。また、プラズマ表面改質技術を応用しており、接着性にも優れています。現場での作業は非常にシンプルで、補強対象に直接貼り付けることができるため、工事の効率が大幅に向上。これにより、従来の炭素繊維接着工法で必要だった施工工程が削減され、コスト削減が期待できるのです。
さらに、施工試験では、従来の方法に比べ約40%もの作業時間短縮を達成しています。これは、アウロステクノロジーズが実施した試験結果に基づくもので、販売開始前からその実力が証明されています。
施工実績とその結果
実際の施工例として、石川県珠洲市での道路橋の補強工事があります。ここでは、従来の工法では4日間かかるところを、APLASシート工法ではなんと2日間で完了。これは、施工の効率化の恩恵を如実に示す事例です。このように具体的なデータに裏付けられた効果は、今後の市場での広がりを期待させます。
施工も簡略化されているため、経験の浅い作業者でも容易に行える点も大きな魅力です。専用の接着剤を塗布した後にAPLASシートを貼るだけで工事が終了するため、スピーディーな対応が可能となります。
環境への配慮
APLASシートは、室内環境下においても1年間は接着性を維持できることが確認されており、長期的な使用に対しても安心感があります。これは、持続可能な社会に向けた取り組みの一環としても評価される点です。
当社は、国土交通省の新技術情報提供システム「NETIS」にも登録されており、施工性と経済性の向上が認められています。これは、業界内でも特に信頼性の高い技術として位置付けられる要因となります。
今後の展望
アウロステクノロジーズは、今後さらに多様なインフラへの応用を模索しています。「基幹産業における接着課題を解決し、人々の生活を豊かにする」を掲げる同社は、今後もプラズマ技術を活用し、さらなる製品開発に努めていくことでしょう。また、APLASシートが広く普及することで、インフラ整備の効率化と持続可能な開発に寄与できることを期待しています。
例えば、アウロステクノロジーズのウェブサイトでは、APLASシートや専用接着剤の販売情報も提供されており、関心のある方はぜひチェックしてみてください。新しい技術が、私たちのインフラにどのような変革をもたらすのか、今後の進展が楽しみです。