JCBと日本IBMが提携、生成AIで基幹システム革新を目指す

JCBが日本IBMとAIパートナーシップを発表

株式会社ジェーシービー（JCB）は、日本アイ・ビー・エム株式会社（日本IBM）との間でAIパートナーシップを締結したことを発表しました。この提携は、両社の協力を通じて、JCBの基幹システム開発における革新を目指すものです。特に、日本IBMが持つ先進的なコンサルティング力や技術的知見を活用することによって、JCBの金融業務における競争力を強化する狙いがあります。

提携の背景と目的

近年、金融業界は大きな変革期を迎えています。その中でJCBは、Ai技術を取り入れることで、システム開発におけるすべての工程—設計、運用まで—で生産性を改革することを目指します。今回の提携によって、AIを「開発の共同パートナー」として位置づけ、プロジェクト全体において品質、スピード、コストの効率化を追求する方針を打ち出しています。その上で、次世代IT開発モデルの確立を目指します。

生成AIによるIT開発の革新

JCBはまず、日本IBMの生成AI技術である「watsonx」を活用し、国内外での主要業務を支える基幹システムにおけるIT開発の革新に取り組んでいます。生成AIの導入は、設計から開発、テストまでの一連のプロセスにおいて大きな変化をもたらします。

具体的には、以下のようなユースケースが検討されています：

- 外部設計書をもとに高精度なプログラム設計書やCOBOLコードを自動生成することで、手動作業を削減します。
- 単体テストケースを網羅的に生成し、品質要求に耐えうるものであるかを確認するためのブラックボックス観点でのテストケース補強も実施します。
- 500以上の提携先におけるI/F仕様や業界規制に適合したテストデータを自動生成することによって、開発効率を高める取り組みを行っています。

これらの取り組みにより、一部のシステムでは設計からテスト工程において約20%の開発効率向上を達成することができています。

今後の展望

JCBは、日本IBMと共に生成AIを活用した開発革新を次期システム更新や他のシステム開発にも広げていく考えです。また、自然言語による要件定義やコードレビューなどの更なる高度なAI活用を目指すことで、金融IT開発の未来を切り開いていく予定です。JCBの目指す「次世代金融」の実現に向けて、ますます目が離せない取り組みが続きます。