新たなAI技術で認知症の早期発見を目指す
AIスタートアップのOptimAIze Consultingが、大阪大学大学院医学系研究科と共同で認知症診療支援AIの研究を開始しました。この共同研究は、認知症の早期発見と治療の確実性を高めるための重要なステップです。
共同研究の目的とは?
今回の研究では、大阪大学と株式会社アイ・ブレインサイエンスの協力の下、軽度認知障害(MCI)や初期認知症のスクリーニングを支援する第2世代アプリのAIアルゴリズムを開発します。特に、AIを用いた診断精度の向上が期待されています。
認知症患者数は日本で約600万人に達し、MCIを含むとその数は1000万人を超えると言われています。この状況では、早期発見と治療が極めて重要です。
ミレボ®の特長
本研究に参加している株式会社アイ・ブレインサイエンスが展開する『ミレボ®』は視線計測を用いた認知機能評価の技術を持つSaMD(Software as a Medical Device)です。このツールは、わずか3分で11問のタスクを提示し、その結果をベースに認知機能を評価します。特にこの評価は、ミニメンタルステート検査(MMSE)との高い相関が示されています。
認知症の早期発見に向けた課題
現在、MMSEで正常範囲にある患者も、初期認知症やMCIの可能性を秘めていることがあります。従来の詳細な検査(ADAS、WMSなど)は時間を要し、効率的な診断が難しいという問題があります。専門医療機関への紹介も医療資源の観点から簡単ではないため、この課題解決も本共同研究の重要な目的です。
AIによる新たなアプローチ
新しいAIアルゴリズムの開発により、簡易検査では検出的でない初期のMCIや認知症を3分という短時間で正確に発見することが可能になります。これにより、かかりつけ医が適切な患者を専門医療機関に紹介するフローを整える手助けをします。
安定したALZHEIMER病療法に不可欠な抗アミロイドβ抗体薬の適応患者を見逃さないための取り組みは、医療界全体に良い影響を与えるでしょう。
期待されるインパクト
この共同研究を通じて、次のような成果が期待されます:
- - 患者紹介フローの効率化と適切化
- - MCIや認知症の早期発見を支援するシステム
- - 医療機関におけるスクリーニング精度の向上
OptimAIze Consultingの背景
OptimAIze Consultingは、東京大学医学部出身のAI専門チームが母体となり、様々なAI技術を統合し、一貫したサービスを提供するスタートアップです。AI導入による業務効率化を模索している企業や研究機関向けに、特に医療分野でのAI開発を強化しています。現在、無料のオンライン相談会を開催中で、多くの企業の参加が期待されています。
まとめ
この新たな共同研究は、認知症診療に革新をもたらすことが期待されており、今後の展開が注目されます。早期に認知症を発見し、適切な医療を提供するための鍵を握ると思われるこの研究から、目が離せません。