老舗時計店のEC事業譲渡の成功
岩手県盛岡市に拠点を置く時計製造・販売の企業、TMプラネットが「楽天事業承継アシスト」を通じ、EC事業「腕時計とバンドのアビーロード」を翌年の2025年4月に譲渡することが決まりました。この事業譲渡は、M&A支援プラットフォーム「BATONZ」のサポートによって実現しました。事業の後継者不在という問題を抱えていたTMプラネットにとって、今回の譲渡は新たな未来を切り開く第一歩となります。
事業譲渡の背景
TMプラネットの代表、田口正氏は、25年の長きにわたり店舗を運営する中での思いを語ります。「運営してきたショップを残したい」という強い願いから、楽天の事業承継サポートに相談し始めたのです。彼は、楽天創業者の三木谷浩史氏がインターネットを通じて地方の企業が全国の消費者とつながる可能性を語ったことに感銘を受けており、その信念が今も続いていることに感動を覚えています。
譲渡の相手として選ばれたのは、東京都品川区の合同会社アシークです。アシークの斉木美樹氏とそのご夫婦は、盛岡まで足を運んだ熱意が決め手となり、TMプラネットのEC事業の未来を預かることになりました。
斉木氏の展望
新たに事業を引き受けたアシークの斉木氏は、このECショップの信頼性と歴史に投資する価値があると考えています。彼の生まれ故郷の東北地方で、何らかの形で貢献したいという思いから、この挑戦を決断しました。アシークは、伝統を重んじながらも、今後の成長を見据えた新たな展開を検討しています。具体的には、ECと実店舗の連携や、関連商品カテゴリでの新展開を考慮しているとのことです。
楽天の意義
楽天の担当者である濱本芳郎氏は、TMプラネットとの関係構築の中で、「楽天での23年間を無駄にしたくない」という田口氏の言葉が心に残ったと述べています。このような、長年の歴史や信頼を支える店舗の承継は、「楽天市場」にとっても大きな価値があり、事業承継の重要性を訴えています。
まとめ
今回の事業譲渡のサポートを行ったバトンズの中武氏は、アシークの夫婦の人柄と引き継ぎに対する意気込みを高く評価しました。また、楽天のアカウント移行の審査を事前に進行してもらえたことも、成約をスムーズに進める要因となったと語っています。これらの要素は、今後のEC市場の成長に寄与する大きな一歩となるでしょう。
このように、事業譲渡という選択は、ただの進退にとどまらず、未来への道筋を築く重要なステップです。今後のアシークの発展と、TMプラネットの新たな足跡に期待が寄せられます。