IHIインフラシステムが土木学会からの評価を受賞
近年、地域の安全を支える社会インフラの重要性が高まる中、株式会社IHIインフラシステム(大阪府堺市)が公益社団法人土木学会の「インフラメンテナンス チャレンジ賞」において、その優れた取り組みで2件の受賞を果たしました。この賞は、国内のインフラメンテナンス分野における革新技術や社会的価値の高いアプローチを広く紹介することで、関連事業者や団体の活動を促すことを目的としています。
受賞の概要
1. 水門アクアリウム
IHIインフラシステムが開発した「水門アクアリウム」は、ゲーミフィケーションを利用したスマートフォンアプリで、市民が楽しみながら水門の保全活動に参加できる仕組みを展開しています。このアプリを通じて、防災意識を高め、地域協力体制を強化することを目指しています。
ユーザーは水門の写真を撮影し投稿することで、各水門に設置されたARの魚を収集。その過程で、インフラ点検にゲーム感覚で参加できるようになり、さらには子ども向けマンガやイベント案内機能を通じて、多世代の交流と学びを促進します。
千葉県香取市で行われた実証イベントでは、参加者がゲームを通じて「水門設備」の簡易視覚点検を行いました。この活動により、インフラへの関心が大いに高まり、投稿された写真の54%がインフラメンテナンスに役立つデータとして活用できる可能性があることが確認されました。この取り組みにより、市民のインフラ点検への自発的な参加が促進され、地域コミュニティの活性化や防災意識の向上が評価されました。
2. 水門維持管理の人材育成拠点
次の受賞プロジェクトは、東京都江戸川区に設立された「防災・水門技術研修所」です。この研修所は、水門点検や整備に関する技術者の育成を目的とした日本初の体験型研修施設です。
ここでは、実機を使用した実技訓練と座学を組み合わせることで、短期間で現場力を身につけられるカリキュラムが用意されています。また、ICTやIoT技術を用いた点検支援システム「GBRAIN」を駆使し、多様な設備を通じて参加者の理解を促進しています。
官公庁や公共機関、協力会社などにも受け入れられており、持続可能な技術の継承と人材育成、そして地域社会の安心・安全に寄与することを目指しています。この取り組みは、実機体験による確かな現場力強化や、業界全体の技術水準の向上を図るものとして高く評価されました。
今後の展望
IHIインフラシステムは今後も、市民参加型のインフラ維持管理と人材育成を進めることで、持続可能な社会基盤の構築に貢献していきます。社会インフラに対する理解を深めるために、引き続き活動を展開し、地域社会の安全と安心を支えていく姿勢が求められています。
表彰式の際には、IHIインフラシステムの防災・水門本部の佐々木義幸氏や、表彰小委員会の委員長である伊勢勝巳氏(東鉄工業株式会社)、経営管理室の熊谷公雄氏も出席し、取り組みの重要性を讃えました。
受賞を受けたこれらの取り組みは、ただの技術的発展に留まらず、地域社会における人々の意識づけや協力があって初めて成り立つ重要な活動です。今後のさらなる発展に期待が寄せられています。