M&A仲介業界の新たな展開
一般社団法人M&A仲介協会(以下、当協会)は、2025年1月1日より団体名を「一般社団法人M&A支援機関協会」に変更することを決定しました。この改名は、協会の体制強化や業界の健全化を進める重要なステップとして位置づけられています。
新団体名とその背景
新たな団体名の採用が示す通り、当協会は「M&A支援機関」という広い意味を持つ名称に刷新することで、業界全体の向上を目指しています。この決定は、中小企業庁がまとめた「中小M&A推進計画」に基づき、公正なM&A取引の推進と当協会の設立目的を再確認するものであります。
悪質業者の排除に向けた取り組み
昨今、M&A業界では悪質な業者によるトラブルが頻発しています。それに対抗する形で、2024年10月からは「特定事業者リスト」を運用開始し、業界内で悪質な譲受け事業者の情報を共有することにしました。このリストは、M&Aの合意形成を行う際の信頼性を高めるためのもので、業界全体の透明性を促進する狙いがあります。
新しい取り組みの詳細
当協会の新しい取り組みとして、以下の施策が挙げられます。まず、M&A支援機関の業務レベルを向上させるため、自主規制ルールに基づいた資格制度の導入を進めています。この資格制度は、財務や法務、税務にわたる業務品質の向上を目指し、会員のモラルを引き上げることを目的としております。
次に、自主規制ルール「契約重要事項説明規程」の改正が挙げられます。これにより、譲渡側と譲受け側から受け取る手数料を明示することが求められ、利益相反を防止する仕組みが強化されます。
さらに、広告・営業規程の改正により、悪質な譲受け事業者によるリスクへの認識を強化するための新たな説明義務が加わります。これにより、M&A市場の信頼性と業務品質を一層高めることが期待されています。
特定事業者リストの運用
特定事業者リストの導入は、譲渡側の経営者を保護するための重要な施策です。リストに登録された業者は、悪質な行為が判明した場合、自動的に市場から排除されることになります。これにより、M&A取引の際には、安心して相手を選んでいただける環境を整えることができるようになります。
未来への展望
「一般社団法人M&A支援機関協会」として新たな一歩を踏み出すことで、当協会は中小企業の発展に寄与し、より品質の高いM&Aサービスを提供していく所存です。また、地域の金融機関や士業と連携を深めながら、持続可能なM&A環境の構築を目指します。私たちは、健全な業界発展に向けて、引き続き努力を惜しみません。これからの立ち上がりを見守っていてください。