JALが新たに受賞したIT賞の背景
2024年12月9日、JAL(日本航空)およびその関連会社であるJALEC(JALエンジニアリング)が、公益社団法人企業情報化協会が主催する「2024年度(第42回)IT賞」において、オープンイノベーション領域の賞を受賞しました。この受賞は、JALがこれまでに受け取ったIT賞の中でも特に意義のあるもので、オープンイノベーションに焦点を当てた初めての受賞となります。
JALの受賞歴
JALは、過去においてもIT賞を受賞しており、本年度の受賞は実に3回目となります。昨年度は顧客と事業機能領域で評価され、さらに2019年にはIT最優秀賞を受賞した実績があります。これらの受賞は、JALの持続的なデジタルトランスフォーメーション(DX)への努力を証明しています。
整備DXと「ゼロゼロ100」の理念
今回の受賞は、JALとJALECが取り組んできた「航空機整備の『ゼロゼロ100』を追求した整備DX」というテーマに基づいています。「ゼロゼロ100」とは、安全で安心な航空旅行を提供するために、障害となる不具合をゼロにし、定時出発率を100%にするという目標です。このビジョンは、世界一の品質を誇る航空機オペレーションを目指しています。
当社の取り組み
以下に、JAL及びJALECの具体的な取り組みをいくつかご紹介します。
1.故障予測アルゴリズム
ビッグデータ及びAIを活用した故障予測アルゴリズムの開発により、航空機の不具合を事前に特定する精度を高めています。これにより、より確実な整備計画が実現しています。
2.エンジン内部検査の精度向上
医療用画像認識技術を用いたエンジン内部検査のツールを開発し、エンジン内部の不具合を未然に防ぐ体制を整えています。この技術は、航空機の安全性を大きく向上させるものです。
3.運航整備計画の最適化
航空機の運航整備計画において、膨大な制約条件を考慮しつつ、量子コンピュータ技術に基づいた自動最適化アプリを開発しました。この取り組みは、より効率的な整備を可能にし、運営の生産性を向上させるものです。
未来への挑戦
JALとJALECは、今後もデジタル技術を活用し、安全で快適な顧客体験の提供に注力し、社会課題の解決に向けた革新を続ける意向を示しています。今回の受賞は、企業としての成長を促すだけでなく、業界全体の進化にも寄与するものでしょう。
IT賞について
IT賞は、情報化を推進する企業や団体に贈られる名誉ある賞です。1983年に創設され、特にITを活用した経営革新が評価されます。表彰式は、2025年1月30日及び31日に東京で開催される予定です。