CASTがマレーシア・インドネシア市場に進出、配管監視技術でDXを加速

CASTが進める新たな挑戦

株式会社CASTは、マレーシアとインドネシアにおける工場・プラントの配管減肉監視技術を活用した産業保全DXへの参入を発表しました。本事業は、経済産業省が実施する令和6年度補正グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金（FS事業）に採択され、CASTの独自技術を生かす新たなチャンスとなります。

事業背景と技術の紹介

CASTは2019年に設立された企業で、配管減肉監視技術『ULTRACK™』を開発・販売しています。この技術は、耐熱・フレキシブル・薄型のセンサーを特徴に持ち、過酷な環境下でも腐食による減肉を迅速に検知することができます。2025年には、耐熱500℃の超耐熱超音波センサーを発表予定であり、高温環境でも問題なく機能します。このシステムによって工場の配管やタンクの厚みをモニタリングし、劣化を未然に防ぐことが可能です。

マレーシア進出の意義

特にマレーシアのサイバージャヤに新たに拠点を設立したことで、海外での販路拡大を目指しています。この地域は、製造業の成長が著しく、配管の減肉によるトラブルが共通の課題です。そのため、CASTの技術を用いた解決策が求められています。現地のプラントにおいて実証導入を行い、信用を築くことで更なる展開を視野に入れています。

スマート保全ニーズに応える技術

今回の事業は、マレーシア及びインドネシアにおいて老朽化したプラントに対するスマート保全ニーズを調査し、現地の市場や制度、顧客との対話を実施します。この調査を通じて、需要に合わせた製品導入と事業化への道筋を築くのが目的です。

CASTが目指すのは、配管監視技術におけるグローバル市場でのリーダーポジション。そのためには、東南アジア市場への進出が重要な戦略となります。現地には約10,000事業所の老朽化プラントが存在しており、30%の技術導入を目指しています。

日本発の技術を世界へ

本事業は、CASTが持つ技術を用いてグローバル市場での成功モデルを構築することを目指しています。日本からの技術導入により、現地の供給チェーンやパートナー体制も整備され、他の日本企業にとっても参入基盤となることが期待されています。

さらに、CASTの技術を通じて雇用を創出し、産業波及効果を見据えた調査も進めています。