厚みを超えた表現力を誇る新型プリンタ
株式会社ミマキエンジニアリングが発表した「UJF-7151 plusII e」は、産業プリントの新基準となるフラットベッドUVインクジェットプリンタです。このプリンタは、2025年10月22日から米国・オーランドで開催される「PRINTING United Expo 2025」にて世界初公開される予定です。
1. 産業プリント市場の課題と解決策
デジタルプリントの普及は、小ロットや多品種の生産を必要とするグッズ印刷の分野では特に顕著です。スマートフォンケース、ノベルティ商品、キャラクター雑貨など、多様な商品のカスタマイズ需要が高まっています。一方、工業印刷では、金属や樹脂などさまざまな素材に対応できるプリンタが求められています。
しかし、現場では以下のような課題が依然として残っています。
- - 高品質と生産性の両立が難しい
- - 高低差のある素材への印刷が困難
- - 平面印刷での立体感表現の限界
これに対し、「UJF-7151 plusII e」は、これまでに高く評価されてきた印刷精度と生産性をそのまま継承しつつ、インク厚盛性能や高低差への対応能力を大幅に向上させました。これにより、グッズビジネスや工業印刷において、高付加価値なものづくりが可能となり、産業プリントの新たな可能性を切り拓きます。
2. UJF-7151 plusII eの主な特長
1) 高精度と高画質
強固な筐体構造と高精度な位置制御により、業界でトップクラスの印刷精度を実現。最高1,800dpiの高解像度と、さまざまな色調を美しく再現するための複数のインク色を搭載しています。文字盤や操作パネルなど、工業印刷でも幅広く活用されます。
2) 効率的な生産を支援
このプリンタは、実用モードで毎時19枚の出力が可能であり、版を必要とせず、少量多品種の生産にも柔軟に対応します。この特徴により、従来の版作成や段取り替えの手間を大幅に削減します。
3) 立体表現の強化
最大5mmのインク積層が可能で、エンボス感や立体的なテクスチャ表現を実現。グッズ制作やデザインの幅が広がり、商品に高級感を与えることができます。
4) 曲面や凹凸面への対応
インク吐出部から最大10mm離れた基材にもインクが届くため、曲面や段差のある素材へのプリントも対応可能です。これにより、工業部品のデザインを精細に再現できます。
5) プライマー塗布の高速化
プライマーインクを搭載し、その塗布速度が従来の約3.7倍になっています。これにより、アクリル、ガラス、金属といったさまざまな素材への高効率な生産が可能となります。
6) ランニングコスト削減
インクセーブ機能により、最大約42%のインクを削減でき、知識がない方でも簡単にコストを抑えることができます。
3. 今後の予定
「UJF-7151 plusII e」は2025年11月に販売を開始予定で、年間約300台の販売を見込んでいます。また、これから複数の展示会への出展も予定されています。初回は、オーランドでの「PRINTING United Expo 2025」に参加します。
このようにミマキエンジニアリングは、常に新たな技術革新を追求し続け、「美しさと速さ」を実現するための挑戦を行っています。今後も業界に新しい価値を提供していくことでしょう。