発音チェックシートの制作とクラウドファンディングの成功
一般社団法人ことばサポートネットは、5歳児の健診および教育現場で使用できる「発音チェックシート」の制作を目的としたクラウドファンディングを行い、目標金額を230%上回る276,000円の支援を受け、成功裡に成立しました。このプロジェクトは、5歳児の発音評価のための明確な基準を提供することを目指しています。
プロジェクトの背景と目的
近年、多くの地域で行われている5歳児の健診には、「発音不明瞭」という問診項目が追加されていますが、発音に関する具体的な評価基準が不足しているため、健診の現場では評定に迷いが生じていました。この状況をふまえ、多くの専門家たちが使用できる発音チェックシートや手引き書を作成する必要性が高まっていました。
この新しいツールを使用することで、お子さんの発音に問題があるかどうかを早期に発見し、適切な対応をとることが可能になります。特に、発音に関する悩みを持つ子どもたちがスムーズに専門家の支援につながることを目指しています。
クラウドファンディングの概要
このプロジェクトは、2025年9月25日から11月23日までの間に実施されました。その期間中、700名近くの方がプロジェクトページを訪れ、92名の方々から支援が寄せられました。その結果、目標金額12万円に対して276,000円、つまり達成率230%に達する支援を受けることができました。
集まった資金は、発音チェックシートのデザインや印刷、関係機関への配布、専門家への相談料、さらに地域での啓発活動に充てられます。特に、支援者からの反応やメッセージが多かったことは、本プロジェクトの必要性を裏付ける重要な要素となっています。
制作する資料の内容
今回制作される発音チェックシートには、子どもの発音の発達の目安や、よく見られる発音の誤り、家庭や保育現場での関わり方、専門家への相談のタイミングを示す内容が含まれます。この資料は、発音に関心を持つ保護者や専門職が活用できるものとなり、家庭や教育現場での発音への気づきを助けるものです。
今後の展望
現在、発音チェックシートと手引き書の試案がほぼ完成しており、実際に健診に携わる保健師などからヒアリングを行い、内容のブラッシュアップを進めています。寄せられた寄付金は、資料の内容をより良いものにするために徹底的に活用され、現場で実際に役立つツールになるよう努めています。
ことばサポートネットの活動
一般社団法人ことばサポートネットは、言語聴覚士などの専門家と連携し、子どもたちやその家族が抱える言葉や発音の問題に対する支援を行っています。毎年、啓発資料の制作や講座・イベントの開催を通じて、子どもが言葉に関する課題を抱えた際に適切な支援を受けられる社会の実現を目指しています。前年度には、子どもの構音障害に関する啓発活動を実施するなど、着実に活動を進めています。
この発音チェックシートの完成と普及が、より多くの子どもたちにとって支援が必要な場面での大きな助けとなることを期待しています。