自動運転技術の進化が進む中、ティアフォーは新たに「DTVキット」の提供を開始しました。このキットは、パートナー企業が自動運転技術や車両の開発を容易に行えるように設計されています。その中核には、ティアフォーが開発したオープンソースソフトウェアの「Autoware」があり、これを活用することで、自動運転の民主化に向けた一歩を踏み出しています。
キットの設計には、無人配送車両の開発を手掛けるスタートアップ企業、Whale Dynamicとの共同が反映されています。具体的には、彼らと協力して開発した「Drivable Test Vehicle(DTV)」が使用されています。「DTV」は、自動運転技術の性能を実際に試すためのもので、使用者にとって非常に価値のある資産となるでしょう。
また、ティアフォーは他にも、クラウド技術を活用したプラットフォーム「Web.Auto」や、開発パートナー認定プログラム「TIER IV Autoware Partner Program」を提供しています。これにより、パートナー企業は自動運転技術の実態を把握し、習得した技術を実際の環境で試すことができるようになります。この仕組みにより、車両の準備や複雑な環境の構築にかかる負担が軽減されるのです。
特に、このDTVキットは「Autoware」を使用した開発を目指すユーザーにとって魅力的なツールです。キットを使うことで、実際の車両を通じて「Autoware」の利用法を学ぶことができます。また、開発した自動運転システムの性能をリアルな環境で検証することが可能です。
DTVキットの主な特長は次の通りです:
1.
ECUとセンサーの同期:電子制御装置(ECU)とセンサーがあらかじめ車両と同期されているため、キャリブレーション作業が不要です。
2.
迅速な開発サイクル:自動運転ソフトウェア「Autoware」がプリインストールされているため、「Web.Auto」に接続するだけで、シミュレーションや実世界での検証をスムーズに行えます。
3.
ハードとソフトの流用:提供するハードウェアやソフトウェアは、一定の条件を満たせば、他のプロジェクトでの再利用が可能です。
4.
量産適用:ティアフォーが開発した「Edge.Auto」の製品を搭載しており、実車検証後の量産車両への展開も考慮されています。
5.
拡張性:センサーの変更や追加が容易なため、開発の柔軟性が確保されています。
今後、ティアフォーはこのDTVキットに続き、さらに多くの関連キットを拡充していく予定です。これにより、パートナー企業と共に自動運転技術の普及を助け、自動運転の社会実装を促進していくことでしょう。自動運転という未来を共に創るパートナーとして、ティアフォーの役割はますます重要になってきます。
ティアフォーは、2015年12月に設立され、自動運転プラットフォームやウェブサービスの開発、技術教育など、多岐にわたる事業を展開しています。自動運転システムの社会実装を推進する彼らのビジョンは、自動運転の進化を支える重要な要素です。