播州織ブランド「POLS」が挑む循環型生産と新たなファッション提案
播州織は2000年代初頭までは安価で高品質な織物として、世界中で人気を誇っていましたが、近年は様々な競争やコロナ禍の影響で厳しい状況に直面しています。その中で、播州織のブランド「POLS(ポルス)」は、独自のジャカード技術を活用し、持続可能なファッションを提供する新たな試みを進めています。
環境意識と消費者のニーズ
この「POLS」の2021年春夏コレクションでは、個人からの受注生産を基本として廃棄ロスの削減を目指しています。普段の衣服製造では、生産量が多いほどコストを削減できますが、過剰在庫が生じることもしばしばです。しかし、POLSは少量生産に特化し、必要なだけの生地を作ることで、無駄を最小限に抑えています。この方式は、特に環境意識が高まる中で重要な意味を持っており、消費者からの支持も得やすくなります。
独自のジャカード技術とデザイン
POLSの特徴は、テキスタイルデザイナー梶原加奈子氏とのコラボレーションによによって生まれた、オリジナルのジャカードデザインです。彼女は2019年度の「繊研賞」を受賞した実力派で、彼女のデザインセンスはPOLSのブランドイメージを強めるのに一役買っています。
特に、コンピュータジャカードを駆使した技術により、家庭洗濯が可能な綿素材を使用したユニークな製品が多く展開されています。これは一般的なテキスタイル製造のミニマムロットが1000m以上であるところを、50mから生産可能にするという技術革新で、多様なデザインが実現できるのです。
コロナ禍の影響と新しいファッションの形
コロナ禍で多くのアパレル店舗が閉店に追い込まれ、かつての彩りを欠いた業界。しかし、POLSはこの困難な状況をチャンスとして捉え、オンラインでも受注を受け付けることで新たな商品需要を掘り起こしています。これは、消費者が安心して買い物を楽しめる環境を提供し、同時に新しいファッションの形を提示しています。
案内される新作アイテム
2021年春夏コレクションには、オリジナルジャカードテキスタイルを使用したスカーフ、ブラウス、ワンピース、マスクなどが含まれます。特にコロナ時代に合わせたマスクは、機能性だけでなくデザイン性も兼ね備えており、ファッション性を高めています。
- シャツ5型
- ブラウス5型
- ワンピース5型
- スカート4型
- マスク2型
- ヘアバンド5型
- ストール7型
これらのアイテムは随時Instagramでも発表されており、具体的な情報はPOLSのオフィシャルサイトで確認できます。
受注会と今後の展望
2020年11月4日から12月中旬にかけて、国内数店舗での受注会やオンライン受注会が予定されています。顧客は好きなアイテムを選び、個別にオーダーできるため、自己表現の手段としての価値も見出せるでしょう。
「POLS」は、今後も播州織の魅力を広めるため、大阪の自社ビルを改装したイベントスペースを2021年4月にオープン予定です。自分だけの一品を手に入れることで、ファッションに新しい価値を見出す人々が増えることが期待されています。
最後に
播州織の新しい魅力を届ける「POLS」は、ただのファッションブランドではなく、環境への配慮やアートとのコラボレーションを通じて、持続可能なライフスタイルを提案する存在です。これからも注目が集まることでしょう。