日ASEAN 交通分野の更なる協力推進へ!「第22回日ASEAN 次官級交通政策会合」で新たなプロジェクト始動
日ASEAN 交通分野の更なる協力推進へ!「第22回日ASEAN 次官級交通政策会合」で新たなプロジェクト始動
2024年6月26日、長崎にて「第22回日ASEAN 次官級交通政策会合」が開催されました。ASEAN各国の政府高官が集まり、日本とASEANの交通分野における協力強化に向けた活発な議論が展開されました。
今回の会合では、11月に開催予定の「日ASEAN 交通大臣会合」に向けた新たな協力プロジェクトが承認に向けて動き出すことが決定しました。具体的には、ASEAN地域における航路標識要員の育成や、持続可能な航空燃料(SAF)の普及促進に関するプロジェクトなどが提案されました。
航路標識要員育成とSAF普及促進が新たな協力の柱に
航路標識要員の育成プロジェクトでは、灯台やブイなどの航路標識の設置・管理に関する人材育成をASEAN地域で推進します。これは、安全な海上交通の確保、ひいては地域全体の経済発展に大きく貢献する取り組みです。
一方、SAF普及促進プロジェクトでは、航空機の排出ガス削減に向けた取り組みとして、SAFの原料多様化と認証に関するガイドブック作成を目標としています。地球環境保護と持続可能な航空業界の発展を両立させるための重要な一歩となります。
日ASEAN 交通連携の更なる発展へ
これらの新たなプロジェクトに加え、会合では、これまで日ASEAN交通連携の下で進められてきた交通分野における協力成果の報告も決定しました。具体的には、交通運輸技術連携セミナー、マラッカ・シンガポール海峡共同水路測量調査、小型船舶への情報提供ガイドラインなど多岐にわたる成果が報告され、承認を求めることが合意されました。
さらに、ASEAN事務局において検討中のクアラルンプール交通戦略計画の後継計画と、日ASEAN交通連携との連携も強化していくことが合意されました。これは、日ASEAN交通連携が、ASEAN地域の交通政策に積極的に貢献していくことを示す重要な合意と言えます。
日本の経済協力開発機構(OECD)加盟60周年を記念した講演も開催
会合では、日本の経済協力開発機構(OECD)加盟60周年を記念して、OECD傘下の国際機関である国際交通フォーラム(ITF)のキム事務局長による講演も行われました。キム事務局長は、世界の交通を取り巻く現状や今後の課題について、貴重な見解を述べました。
今回の会合は、日ASEAN交通連携をさらに強化し、ASEAN地域の持続可能な発展に貢献していくための重要な一歩となりました。今後も、日本はASEAN諸国との協力関係を深め、交通分野における連携を強化していくことが期待されます。