山口県観光連盟、デジタルツインで魅力を世界へ発信
山口県観光連盟は、国宝瑠璃光寺五重塔をはじめ、元乃隅神社、錦帯橋などの観光名所をMatterport技術を活用してデジタルツイン化しました。この技術により、バーチャル空間で自由にこれらの名所を歩き回ることができ、国内外に山口県の魅力を効果的に伝えるサービスが提供されています。
デジタルツインとは?
デジタルツインとは、物理空間に存在する物体をデジタル空間で双子のように再現したものです。これは、観光地のバーチャルツアーや様々なモニタリングに利用できます。山口県では既に、初年度で40万回以上のインプレッションを達成し、多くのユーザーに利用されています。
Matterport導入の背景
山口県観光連盟がMatterportを選んだ理由は、先行ユースケースとしての「白川郷 合掌造り集落」に感銘を受けたためです。3D映像を通じて、歴史的建築物の魅力を余すことなく伝えることができると感じたのです。また、Matterportの「ウォークスルー機能」や「ドールハウス」、「タグ機能」を活用することで、情報をより多面的に表現できる点が評価されました。
主な観光名所のデジタル化
山口県観光連盟が実施したデジタルツイン化の具体的な例として、次の観光名所があります。
1.
瑠璃光寺五重塔: 現在解体工事中でも、Matterportによって工事前の景観を楽しむことが可能です。この塔は、ニューヨークタイムズ紙で称賛された、山口市のシンボルです。
2.
元乃隅神社: 123基の赤鳥居が連なる美しい景観を、デジタル空間で体験できます。CNNにも取り上げられるなど、全国的に人気のスポットです。
3.
錦帯橋: 日本三名橋の一つで、四季折々の美しい風景を楽しむことができる場所です。デジタルツインを通じて、訪れているような感覚が味わえます。
4.
秋芳洞: 国内最大級の鍾乳洞で、約1kmのコースをバーチャルで散策できます。
5.
一の坂川: 鴨川を模した川で、春の桜や夏の蛍観賞で人気です。
6.
八坂神社: 重要文化財である本殿をデジタルツインで観覧できます。
新たな観光の形
山口県観光連盟のこの取り組みは、コロナ禍の影響を受けた観光業においてデジタルPRの重要性を再認識するきっかけとなりました。観光客はもちろん、旅行代理店などのプロにとっても、デジタルツインは旅行商品の企画や設計に役立つツールとなっています。
吉山尚彦氏は、「Matterportの導入により、観光業のデジタル変革が加速していると感じます。各観光地の強みを強調するためのツールとして、多くの人々に利用していただきたい」とコメントしています。この先も、山口県の観光魅力をさらに引き出していくための取り組みに期待が寄せられています。
まとめ
山口県観光連盟のデジタルツインプロジェクトは、ただの観光PRにとどまらず、観光業の新たな未来を切り開く可能性を秘めています。世界中の人々が山口県を訪れるきっかけとなるこの技術。今後の展開から目が離せません。