EVタクシーの充電運用最適化の実証実験開始
2023年12月2日、モーション、プラゴ、大和自動車交通、AESCの4社が手を組み、事業用の電気自動車(EV)の充電運用を最適化するための実証実験を開始しました。この取り組みは、タクシー業務におけるEVの課題克服に向けた重要なステップです。
取り組みの背景
タクシー業界では、一般車両に比べて長距離の走行が求められるため、乗客の乗車場所や時間の予測が難しいという特性があります。そのため、EVの導入にはいくつかの課題があり、特に充電時間がガソリン車の給油よりも長いことから、業務中の充電が営業機会を奪う可能性があります。
この問題を解決するため、モーションとプラゴは2023年10月から、EVを運用する大和自動車交通のタクシー事業所で、車両が不稼働の際に電力デマンドを調整しつつ、翌日の運行予定に応じた充電を遠隔制御するという実証実験を行い、成果を得てきました。
AESCとの連携による高度な充電管理
新たにAESCが参加することで、リアルタイムのバッテリー情報が収集できるようになり、これまで以上に精密な充電管理が期待されます。AESCは、リチウムイオンバッテリーの大手メーカーであり、EVタクシーでのデータを基にした次世代バッテリーやクラウドサービスの開発が進むことでしょう。
実証実験の内容
今回の実証実験では、大和自動車交通が運用する5台のEVタクシーのバッテリー残量と稼働データを収集し、そのデータをもとに最適な充電スケジュールと充電出力を算出します。
- - 充電器の制御: 車庫に設置されている5台の普通充電器を遠隔操作し、充電を行います。
- - 環境影響の検証: 外気温やバッテリーの状態が充電に与える影響、充電によるバッテリー劣化度の検証も行います。これにより、充電管理システムのさらなる高度化を目指します。
各社の役割
- - モーション: 過去に開発した「EVタクシー運行最適化システム」を活用し、効率的な充電を可能にする知見を基盤にしています。
- - プラゴ: 自社の提供する普通充電器を用い、充電スケジュールに応じた遠隔制御を行います。大和自動車交通との連携強化にも注力しています。
- - 大和自動車交通: グリーン経営認証を10年連続取得するなど、環境配慮に取り組んでいます。実証実験を通じてEVタクシーの運用向上を図ります。
- - AESC: EVタクシーに搭載されているバッテリーの分析を行い、次世代バッテリーの開発に役立てます。
期待される成果
この実証実験の成功により、EVタクシーの実用化が一層進むことが期待されます。充電管理の高度化は、環境負荷を軽減し、持続可能な交通手段の確立に寄与するでしょう。引き続き、各社が協力してこの取り組みを進めていくことに期待が寄せられます。