一般社団法人Textile Circular Network(通称、TC-Net)は、繊維リサイクルをテーマにした新たな取り組みをスタートしました。この団体は、衣類のMOTTAINAIを応援し、循環型ビジネスモデルの構築を目指しているほか、SDGs(持続可能な開発目標)の理念にも積極的に取り組んでいます。「衣類のMOTTAINAIを応援する」というテーマのもと、障がい者福祉事業所向けに異物除去作業のコーディネートを2024年8月から始めることが発表されました。このプロジェクトは、異物を取り除くことで新たな衣料の生産に寄与し、環境問題や社会問題に取り組む重要な役割を果たします。
TC-Netは、リユースやリサイクルの過程において、障がいを持つ方々が働くことができる環境を創出し、彼らの生活の質を向上させることも目指しています。具体的には、全国にある約14,000か所の就労継続支援B型事業所と連携し、福祉事業者が異物除去作業に参加することで、従来の工賃を倍増させることを狙っています。この取り組みにより、障がいを持つ方々が持つ生産力を十分に発揮できる場を提供し、新たな生計手段を創出することが可能になります。
例えば、実際に異物除去作業を行っている社会福祉法人泉大津みなと会では、繊維リサイクルの実施により、従業員の平均工賃が11,296円から25,247円へと倍増しました。これは、繊維リサイクルの事業によって、彼らの働く環境が向上した結果と言えます。他の都道府県に比べても、その工賃は徳島県の平均を上回り、業界で最も高い水準に達しています。
今後、TC-Netは、地域社会と企業が連携し、繊維のリサイクルを通じて地域の経済に貢献することを目指します。具体的には、法人に参加する企業や団体から技術や資金を集め、異物除去の過程で障がい者施設の方々に協力してもらいます。これにより、SDGsの目標である“誰一人取り残さない”社会の実現を目指します。
TC-Netの理事長である木村照夫名誉教授は「私たちは、環境問題と社会問題の両方に取り組んでいく必要があります。廃棄衣料の問題を解決することで、地域の皆さんと一緒に働ける場所を提供し、障がいを持つ方々の工賃の向上を実現するチャレンジに取り組みたい」と語っています。
更にTC-Netでは、異物除去作業に参加してくださる福祉事業者の応募も受け付けています。泉大津市までボトルを取りに来ていただける事業所であれば、ぜひご連絡ください。入会は不要で、幅広い法人と連携してSDGsのビジョンを実現するための仲間を募っています。
このように、TC-Netはただの繊維リサイクルの促進だけでなく、福祉事業の支援や地域社会の活性化にもつながる多面的な活動を展開しています。興味のある方は、ぜひ彼らのウェブサイトを訪れてみてください。