女性後継者がつくる企業の未来、成長と多様性の進化

3月8日の「国際女性デー」に際し、一般社団法人日本跡取り娘共育協会は、女性後継者が企業成長にどのように寄与しているのかを探る「女性後継者の影響力調査」の結果を発表しました。近年、中小企業の後継者問題はより深刻さを増していますが、女性が経営を継ぐことでの期待も高まっていることが反映されています。

女性後継者がもたらす業績の向上

同調査によると、女性がリーダーシップをとる企業では、売上と利益の両方が52%増加したとのことです。この数字は、女性経営者の力が企業の業績向上に直結していることを示しています。女性後継者による経営は、社内改革を推し進める要因となり、新規事業や外向きの成長戦略を生み出す土壌を作ることが確認されています。

働きやすさの改革とダイバーシティ推進

さらに、男性の育休取得率が59%、女性の育休取得率が70%に上昇したことも注目されます。これは柔軟な働き方への転換が進んでいることを示しており、企業全体の活力向上や従業員のエンゲージメント強化に繋がっています。また、非正規から正社員への転換を進める企業は61%、女性管理職が増加した企業も45%に達しています。これにより、ダイバーシティ&インクルージョンが進められ、経営改革という大きな流れを生んでいます。

社内改革を通じた成長戦略

調査内で特筆されるのは、企業の社内基盤を強化するための施策に80%が取り組んでいること。また、61%の企業が新規事業を立ち上げ、同じく61%が新製品・サービスの開発に従事しています。これは社内改革の結果、具体的な成長戦略を実行に移す動きがあることを示しています。

特に、新たな製品やサービスに対する投資は、さらなる成長に不可欠であり、女性後継者のリーダーシップが企業の方向性を定める重要な役割を担っています。

経済成長を支える好循環

調査から導かれた「循環モデル」が興味深いです。事業承継後、女性後継者は社内制度改革や働き方改革に取り組み、ダイバーシティ経営を推進します。それが従業員の意識を高め、企業全体の成長を促し、新たな事業への投資に繋がっていくのです。

今後の展望と支援の強化

日本跡取り娘共育協会は、女性後継者による社内の立て直しや関係構築に注力する一方で、外向きの成長戦略へと移行するための支援活動を強化しています。2025年4月からは「跡取り娘のための事業承継講座」も運営し、次世代の女性経営者を育成する取り組みを進める予定です。

このような女性後継者の動きは、企業成長の一翼を担うだけでなく、より良い社会の実現にも寄与します。多様性のある経営が生み出す新たな時代の先駆けとして、女性後継者たちが果たす役割はますます大きくなっていくでしょう。