小清水町の新拠点「ワタシノ」が受賞
北海道の小清水町に位置する「ワタシノ」が、2024年度のグッドデザイン賞を受賞しました。これは、公共施設として新しい形を提案するものであり、地域の防災対策やコミュニティの活性化を目指しています。
「ワタシノ」は、役場に併設された複合機能施設で、日本初のフェーズフリー認証を受けていることが特徴です。日常生活に役立つカフェやランドリー、フィットネスジムといった機能が備わっており、災害時には防災拠点としての役割を果たします。これにより、地域住民は日常と非常時の両方で安心して利用できる場所となっています。
この取り組みは2018年の北海道胆振東部地震をきっかけに始まりました。震災による影響を受け、地域が安全で安心な環境を作る必要性が高まり、結果として「ワタシノ」が誕生しました。
グッドデザイン賞の審査員は、この施設が「用事がなくても通いたくなる場所」として多様なコンテンツを計画している点を評価しました。日常的に利用することで、災害時のストレスを軽減するというアイデアが実践されていることや、地域住民同士の新たな関係性を築くための工夫が凝らされていることが高く評価されました。
「ワタシノ」の魅力とは?
「ワタシノ」には、役場庁舎、商工会、コミュニティスペース、カフェ、ランドリー、フィットネスジム&スタジオ、ボルダリングウォールなど、様々な施設が整っています。これにより、町民は普段から多様な活動に参加しやすくなり、地域のつながりも深まります。
また、デザインのポイントとして、庁舎そのものを「用事がないと行かない場所」から「日常的に訪れたくなる場所」へと変えることが挙げられます。この取り組みにより、役場と地域住民の関係が新しい形で育まれ、持続可能なまちづくりが促進されます。
さらに「ワタシノ」では、地元民の参加による「フェーズフリー認証庁舎での防災シミュレーション」を計画しており、今後も防災に関する取り組みを強化していく予定です。これにより、地域住民全体の防災意識を向上させることが期待されています。
連携企業との協働
このプロジェクトには、NPO法人グラウンドワークこしみずや株式会社OKULAB、株式会社ルネサンスなど、10社以上の民間事業者が参画しています。彼らの専門知識が結集し、地域の宝物ともいえる施設の完成に至ったのです。
役場と連携したこの取り組みは、人口減少や高齢化という地方の課題を解決し、持続可能なコミュニティの実現を目指しています。「ワタシノ」が地域の新たな拠点となり、多くの人々に利用されることを願っています。