岡山理科大学での農林水産DXセミナー
9月10日、岡山県の岡山理科大学で開催された「農林水産DXセミナー」では、最新のデジタル技術を使った農業の進展について学ぶ場が提供されました。このセミナーでは、参加者14人がマイコンとセンサーを活用し、温湿度と土壌水分を測定できる自動潅水装置を製作しました。
今回のセミナーのテーマは「スマホで見ることができる自動潅水装置の製作」です。岡山理科大学情報理工学部の赤木徹也教授、藤本真作教授、横田雅司助教が講師を務めました。講義では、基板にスライドスイッチや抵抗、電源コネクタなどをはんだ付けする基本的な手法が教えられました。
参加者は、ハンダ付けを通じて、自らの手でデバイスを完成させました。完成したデバイスは、Bluetooth通信を用いてスマートフォン上に温度や湿度のデータを表示し、水分量が設定値を下回ると自動的に潅水ポンプが作動する仕組みになっています。この装置を製作するためにかかった材料費は約2,500円です。
基板の組み立ては緻密な作業で、特に温湿度センサーや電解コンデンサの接続には注意が必要です。参加者の中には、はんだ付けに苦戦する様子も見られましたが、完成したデバイスを使って異なる水分量の土にセンサーを差し込み、スマホでデータを確認する姿は非常に興味深いものでした。デバイスによる遠隔制御はWi-Fi環境下でも可能で、参加者からは「とても便利でぜひ使ってみたい」との感想も寄せられました。
次回の「農林水産DXセミナー」は10月21日(月)13時から、岡山市北区下石井にあるピュアリティまきびの3階で開催予定です。内容は、ノーコードで作成する農作業管理ツールについての解説と実習です。興味のある方は、岡山県農林水産総合センター産学連携推進課(086-955-0273)にお問い合わせください。これを機に、デジタル技術を駆使したスマート農業の普及がさらに進むことが期待されます。