データサイエンス育成の新たな試み
2024-10-21 17:42:29

企業と大学が連携してデータサイエンス人材を育成する取り組みとは

データサイエンス人材育成の最前線



大阪成蹊大学では、サイバネットシステム株式会社と連携した企業等連携PBL授業が行われています。この授業は、昨年新設されたデータサイエンス学部の2024年度2年生向けのカリキュラムの一部であり、文部科学省によって認定された「数理・データサイエンス・AI教育プログラム」に向けた試みです。

進化するデータサイエンス教育



近年、IT人材の供給力低下が問題視されており、文部科学省はその対策として産官学連携のPBL授業を推進しています。大学でのデータサイエンス系学部の新設が続く中、教育現場における人材不足も指摘されています。特に、「データサイエンス・AI教育」を行うための教員が不足しているという調査結果からも、その重要性が浮き彫りになっています。

この状況を受け、文部科学省は大学設置基準の改正に踏み切り、実務家教員の登用を進めています。この新たな枠組みを利用して、大阪成蹊大学ではPBL授業が企画され、企業と連携することでリアルな課題に取り組む機会を提供しています。

PBL授業の進行状況



PBL(Project-Based Learning)授業では、学生たちがチームを組んで課題解決に挑む形式で進められます。学生は、ただの受け身ではなく、主体的に知識を学び、能動的に分析を行っていくことが求められます。具体的な課題として、ゴムダイヤフラムの「最適な打ち心地」を算出する設計最適化に取り組み、マルチフィジックス解析ソフトウェア「Ansys」を用いて解析を行います。

この過程では、Pythonの機械学習ライブラリを活用し、得られたデータを分析して最適な設計寸法を見つけ出します。こうした実践を通じて、学生たちは現実の設計問題に対処する力を身につけていくのです。

学生たちの成長を支えるサポート



大阪成蹊大学データサイエンス学部の教員である劉継紅先生は、「非常に高度かつ挑戦的な課題に取り組むことで、学生たちは非線形CAE解析技術と機械学習技術を融合させる力を養っています」と述べています。学年ごとに分かれたチームは、サイバネットを含む複数の企業と自治体からの課題に取り組み、特に優れた成果を上げたチームはプレゼンテーション大会に参加する機会も得ます。

このような経験を通じて、学生たちの学びは深まり、自信も増していくことでしょう。劉先生は、サポートしてくれている企業と連携できたことに感謝し、今後の学生たちの成長を期待しています。

CAEユニバーシティの活用



このPBL授業では、サイバネットが提供する「CAEユニバーシティ」の教材が使用されます。この教育プログラムは、大学教授やさまざまな専門家の講義を受けることで、実践的な技術を身につけることを目的としています。過去18年にわたり、19,000人以上のエンジニアに利用されてきたこのシステムは、製造業における人材育成に大きく貢献しています。

今後も、サイバネットはデータサイエンスを絡めた教育プログラムの拡充を図り、企業と大学の連携を強化し続けていく予定です。

大阪成蹊大学は、こうした取り組みを通じて、学生たちを次世代のIT人材へと育て上げるための環境を整えています。次世代を担う技術者がこれからの社会をリードするための重要な基盤が、ここに築かれているのです。


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会社情報

会社名
サイバネットシステム株式会社
住所
東京都千代田区神田練塀町3富士ソフトビル
電話番号

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