デジタル時代のビジネス環境は常に進化しています。そんな中、株式会社unerryとBraze株式会社が手を組み、リテールとメディア分野でのコミュニケーションDX (デジタルトランスフォーメーション)を加速させる取り組みを始めました。この連携により、両社は顧客のリアルタイムデータを活用し、個々のニーズに即したパーソナルなコミュニケーションの実現を目指します。
unerryは、4.2億IDに基づく人流データのプラットフォーム「Beacon Bank」を運営しており、国内における消費の90%を占めるリアル空間の見える化やAI解析を通じて、消費者の行動を分析しています。このデータを活用することで、リテールDXや、スマートシティ向けのデータ活用を強化し、効率的なマーケティング施策を展開しています。
一方のBrazeは、カスタマーエンゲージメントを重視したプラットフォームであり、北米やEU、APACなどの市場で幅広く採用されています。Brazeはファーストパーティデータを基に、モバイルアプリやメール、LINEなど多様なチャネルを通じて顧客とのコミュニケーションを最適化します。
この2社の協力によって、顧客のあらゆるタッチポイントでの行動をリアルタイムで把握することが可能となり、よりインタラクティブでパーソナライズされたコミュニケーションを提供できるようになります。また、unerryの強力な人流データとBrazeのクロスチャネル施策が連動することで、プロモーションの効果を最大化し、顧客の体験を向上させることが期待されます。
具体的な連携の内容として、unerryはアプリに位置情報技術に基づく「Beacon Bank SDK」を提供。これにより、顧客がどの店舗にいるか、いつ来店したか、といった情報をほぼリアルタイムで取得し、そのデータをBrazeがパーソナライズされたコミュニケーションに活用します。これにより、顧客の移動状況に応じた適切な施策が可能となり、リアルとデジタル両面での接点を強化することができます。
また、特にリテールDXに関しては、ドラッグストアやスーパーマーケットに関する豊富な実績を持つ両社ですが、外食産業やファッション業界へのアプローチも強化していく意向です。
メディア分野でも、この連携は非常に大きな影響をもたらします。unerryはメディアアプリやサイトにおける広告視聴やコンテンツ効果の計測を得意としており、BrazeはそのCRM機能を活用して、ユーザーに最も合ったコンテンツの表示を実現しています。これにより、視聴者に対して効果的な広告配信が可能になり、リテールメディアの構築支援も実施します。
グローバル市場においても注力が注がれます。Brazeは北米を中心とした多彩な導入実績を誇り、unerryは日本特有の複雑なリテール環境に対応した高精度な位置情報技術を活用して、さらに効果的な集客支援を行う予定です。この連携によって、新しい価値が創造され、両社の成長につながることでしょう。
このパートナーシップに対して、unerryの代表取締役社長CEO内山英俊氏は、「Brazeと連携できることを大変喜ばしく思っています。この協力により、デジタルとリアルの両面で顧客行動を分析し、リアルタイムで価値のある情報を提供する新しい世界を築いていきたい」と述べました。また、Brazeの代表取締役社長水谷篤尚氏は「膨大な人流データを活用し、リアルタイムで顧客に適切なコミュニケーションを取ることで、これまで以上に効果的な顧客体験を提供することができる」と語りました。
このように、unerryとBrazeの連携は、リテールやメディア分野におけるデジタルコミュニケーションのあり方を変える可能性を秘めており、今後の展開が非常に楽しみです。