観光地巡りを新しい形で
近畿日本鉄道(以下、近鉄)とOpenStreet(以下、OpenStreet)の協力により、シェアサイクルサービス「HELLO CYCLING」が近鉄沿線で拡大することが発表されました。このサービスは、伊勢市、鳥羽市、志摩市、奈良県の吉野町において新たに29カ所で展開され、観光地を自転車でより自由に楽しむことができるようになります。観光シーズンで賑わう地域の二次交通の向上を図ります。
拡大の背景と目的
近鉄はこれまでにも、「HELLO CYCLING」を大阪、奈良、三重の都市部で20カ所設置してきました。2025年9月30日より、伊勢・鳥羽・志摩エリアや吉野での二次交通の課題を解消するため、29カ所の新しいステーションがオープンします。この取り組みは国土交通省の「日本版MaaS推進・支援事業」にも選ばれており、地域の観光を活性化するための支援を受けています。
新たに設置されるステーションは、観光名所近くに配置されており、旅行者が手軽に自転車を利用できる環境が整います。伊勢はもちろん、志摩や吉野の絶景スポットへのアクセスが向上することで、より多くの観光客を呼び込む狙いがあります。
自転車利用の魅力
新設される各ステーションでは、充電式の電動アシスト自転車が提供されます。例えば、伊勢市域には住宅やビジネスエリアからもアクセスしやすいステーションが7カ所設置され、伊勢神宮へのアクセスも良好です。利用者は美しいまち並みを楽しみながら、観光地間をスムーズに移動できます。
システムの使い方
「HELLO CYCLING」の利用は簡単です。専用アプリをダウンロードし会員登録を行った後、自転車を予約。ステーションにてスマートロックを解除すれば、自転車が利用できる仕組みです。ブレーキ操作も簡単で、子どもから大人まで幅広く使用可能です。料金体系も明確で、利用時間に応じた料金が設定されています。
観光の新たなスタイル
このシェアサイクルサービスの導入により、近鉄は「鉄道×自転車」の新しい観光スタイルを提案します。観光地を巡る際に、自転車と鉄道を組み合わせて気軽に楽しむことができ、地域の魅力を再発見できるでしょう。
また、伊勢志摩地域の観光型MaaS「ぶらりすと」や吉野観光アプリ「めぐる吉野」を活用し、事前に予約をすることができます。これにより、旅行者は観光名所をシームレスに巡ることができ、観光体験がより豊かになります。
未来の観光地づくり
近鉄とOpenStreetの連携は単なる自転車レンタルにとどまりません。シェアサイクルに伴うデータを活用して、観光客にとって魅力的なルート作りや、新しい観光プロモーションの展開も期待されています。これにより、地域の観光流動の増加だけでなく、持続可能な観光地づくりにも寄与することが目指されています。
── 近鉄とOpenStreetによるシェアサイクルサービスの拡充は、観光客に新しい体験を提供すると同時に、地域社会の発展に寄与する重要な取り組みです。ぜひ、この機会に「HELLO CYCLING」を利用して、新たな観光スタイルを体験してみてはいかがでしょうか。