廃校が酒蔵へ!「学校蔵」の挑戦
日本における少子化の影響で、廃校が急増している現状があります。文部科学省の統計によれば、過去15年で7583校の公立学校が廃校に。その中でも、学校は地域コミュニティの重要な拠点であり、廃校をどのように活用するかが各地での課題となっています。
ユニークな再生プロジェクト:学校蔵
そんな流れの中、注目を集めるのが佐渡島の「学校蔵」。この場所は、かつての西三川小学校を地元の老舗酒蔵、尾畑酒造が再生したものです。2010年に少子化の影響で廃校となったこの学校は、2014年より酒蔵としての新たな活動を開始しました。
日本酒特区として認定
今年、学校蔵は「日本酒特区」第一号として内閣府から認定され、新たに仕込まれた日本酒を10月1日から発売します。この酒は、地域の特性を活かした持続可能な酒造りとして、純米酒、純米大吟醸、山廃純米の3種類を展開。これにより、学校蔵は単なる酒蔵ではなく、地域振興のシンボルとなっています。
美しい夕日の眺望
旧西三川小学校の立地は、真野湾を見下ろす絶景スポット。この場所は「日本で一番夕日が美しい小学校」として知られ、多くの人々に愛されていました。その美しい景観を未来に残すため、尾畑酒造は学校を酒蔵として再生する決意を固めたのです。
地元産にこだわった酒造り
学校蔵では、オール佐渡産を徹底的に追求しています。使用する酒米のほか、酒造りに必要なエネルギーも太陽光発電によって供給されています。周囲の自然環境を大切にし、朱鷺が舞う佐渡の地に根ざした、持続可能な酒造りを目指しています。
酒造り体験プログラム
学校蔵では酒造りだけでなく、地域との交流を図るための様々なプログラムも展開しています。特に注目を集めるのが「酒造り体験プログラム」。これは、一週間通して酒造りを学ぶことができるもので、2019年には参加者のうち7名が外国からの参加者でした。このような国際的な交流によって、学校蔵は地域の魅力を発信する場ともなっています。
新たな日本酒のラインナップ
2020年の新作「学校蔵」では、以下の3つのタイプが展開されます。
1.
学校蔵2020純米酒: レモングラスやグレープフルーツの香りが特徴的。
2.
学校蔵2020純米大吟醸: 洋ナシの甘みと柔らかな酸味のバランスが楽しめます。
3.
学校蔵2020山廃純米: 林檎の穏やかな香りが漂うこのお酒は、2020年10月下旬に発売予定。
食に合わせて楽しむ日本酒
学校蔵の日本酒は、キッシュやロールキャベツ、ニンジンのビネガー漬けなど、大人のピクニック風料理と相性抜群です。ぜひ、日常の中で日本酒を楽しみ、学校での思い出を感じていただきたいと思います。
このように、「学校蔵」はただの酒蔵ではなく、地域活性化と持続可能な未来を築くための大きな一歩となっています。佐渡島を訪れた際には、ぜひこの新しい形の日本酒をお試しください。